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「A、はよ起きんと、いたずらするで?」


パチっと勢いよく目を開けた。
霞む視界に、周りを見渡して、最後にゾムくんの方を見る。


「いたずらは、いや」


そう一言言って、上半身を起こせば、ゾムくんも一緒になって、起き上がる。
少しボサボサになってしまった髪を、手櫛でなんとか整えて、着崩れた制服をしっかり正す。
お昼休憩が終了する10分前のようで、寝ぼけていた割に、約束は覚えてたんだなとゾムくんを見た。


「ん?…あ、よう寝れた?」


「…うん。なんか、ゾムくんが寝る気持ちも分かるなぁって」


「んふふ、いつでも寝に来てえーよ?」


「また、いつかね」


そう言って微笑めば、ゾムくんは嬉しそうに笑って、「おん!」と頷く。


「それじゃ、私戻るね」


立ち上がって、スカートをパンパンっと叩きながらも、そう言えば、ゾムくんは「送る」と一言。
授業受ける気はないのに、教室まで来て、悪目立ちをしたいのだろうか。
視線が集まる未来が想像できたので、首を振って断れば、ゾムくんは不貞腐れたように頰を膨らませた。


「Aが足りん…」


「授業受けるなら、いいよ?」


「……また後で」


素直だな。

私を教室まで送るのを諦めたゾムくんに苦笑いをして、扉を開ける。
「また放課後ね」と振り向いて、手を振ろうとした時。その手を掴まれて、グイッと引っ張られた。
そして、トドメとでも言いたげに、ゾムくんはキスをする。
視線が交わって、妖艶に微笑むゾムくんの表情が目に焼き付いた。


「ふっ…ご馳走様。また、放課後な?」


「…な、…いつも、急なんだってば」


赤く染まった頰を隠すように、ゾムくんに背を向けて愚痴をこぼす。
そんな私を理解しているのかゾムくんは、いつも通り独特な笑い方で笑って、「早よ行かんと、遅れるで?赤い顔も、治るとええな?」なんて言う。

やっぱり、いじわるだ。


「ゾムくんの、ばーか!」


「はいはい、可愛い可愛い」


「そうじゃない!」


ゾムくんに向けて吐いた暴言も意味をなさず、地団駄を踏む思いで。
でも、これ以上、言い合いをする時間がないため、急足で教室へと向かった。

エピソード6→←エピソード5



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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます!もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね!(笑) (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます!続編も頑張ります!(笑)rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます!(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ!そんなことないです(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい!!あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見 | 作成日時:2020年12月27日 17時

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