エピソード裏 ページ21
「明けましておめでとう、ゾムくん」
1月1日。
元旦と呼ばれる日。
初詣を行うべく、神社へと向かう約束をしていた私は、今日も今日とて、ゾムくんと待ち合わせ。
ゾムくんは私を見るなり、一時停止しているが、そんなにこの格好が似合っていないのだろうか。
「えっと…ゾムくん？」
「…着てるくるって言うてなかったやん！」
不意打ちずるい。と、喚くゾムくんに、聞きたい言葉が聞けず、少しだけ悲しくなってくる。
母親に言われ、振袖を着てみたのだが、感想は上記の通り。不意打ちずるいという件に関しては、よく分からない。
「…似合って、ない？」
不安げに聞いてみれば、ゾムくんは慌てたように首を振って。
「すんごい、綺麗」と少しだけ照れながらも褒めてくれた。
その言葉に嬉しくなって、着て来て良かったなと母親に感謝。
「それじゃ、初詣、行こっか？」
「おん！」
まだ、朝が早いため、僅かに暗く、くうきにふれる肌は一瞬で体温を奪われる。
そんな中で、手をしっかり握ってきたゾムくんの手の中は、ほんのり暖かく気持ちいい。
新年早々、幸せだ。
「…朝早いから、人少ないね」
神社に行くための通りは、普段に比べれば、人がいるものの、やはりまだ少ない。
カランッと下駄の音がやけに響き、息を吐けば、白い水蒸気が視界に広がる。
なんとなく、この空間にゾムくんと私だけの世界ができているみたいで、少し楽しい。
「少なくて良かったわ」
そんなゾムくんの言葉に、小さく頷く。
「Aの振袖姿、独占できるし。…神様も、俺らの願いをちゃんと聞いてくれるやろうしな」
「えっと…反応に困る。けど、二つ目の理由が、半分以上を占めていることを願うよ」
「いや、振袖姿、見せたくない。ってのがほぼやけど」
「煩悩だ」
「ん？Aが可愛いのが悪い」
新年早々、理不尽。
ゾムくんのこういうところには、今年も悩まされるのだろうなと考えながら、歩く。
それからは、他愛のない会話をして、ようやく、拝殿の中央に辿り着いた。
お賽銭を入れて、鈴を鳴らす。そして、拝礼を行う。
今年も、ゾムくんと居られますように。
と、ありきたりなお願いをして、拝礼を終えた。
ゾムくんの方を向けば、丁度、ゾムくんも終えたようで視線が合う。
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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます！もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね！（笑） (2021年1月23日 16時) (
レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます！続編も頑張ります！（笑）rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます！（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ！そんなことないです（笑） (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい！！あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2020年12月27日 17時
