次期当主から当主へ ページ39
っはぁ……
疲れた。
そうだ、五条さんに電話しないと…
そう思い電話をかけるとワンコールで出た。アンタ暇か。
「おつかれサマンサー！」
「承継終わった。この後も色々引き継ぎがあるから帰るのは１ヶ月後くらいになるかも」
「…わかった。このことみんなに伝える？」
「いや、伝えなくていい」
「でもさー、急に１ヶ月も学校来なくなったら心配するよ？」
「じゃあテキトーに言っておいてくれ」
「あ、ちょ、」
プツッ、と切る。
何か言いたそうだったがまぁいいか。大事なことなら折り返し来るよな。
…俺が当主になったってことはもう女の恰好しなくていいし、敬語もいいよな？
五条さんのように多少ゴネたって問題ない。
高専の制服もカスタマイズしなおそう。髪も切って、やりたいようにやろう。
「おい」
「はい」
「前当主の部屋の奥にある離れの鍵、どこにある？」
「あ、あの離れに行かれるのですか…！？」
「何か問題が？」
「あそこには特級呪具が封印されております…！数百年前に一度だけ使われたことがあるようですが、それ以外は一切何者も受け付けないと文献が残されています…！！」
「だから？」
「いくら若様とて焼き切れてしまいます…！！」
数百年…
グリムジョー、お前はそんなに封印されていたのか。
まぁいい。
たとえ今でなくとも…
待て、今は行かないのだから鍵くらい俺が持っていてもいいはずだ。
「わかった、今は行かない。だから鍵は何処にある？」
「絶対ダメです」
「チッ、何処だよ…？」
「っひ、」
グワッ、と女中の胸ぐらを掴み上げ問い詰める。
そんなに怯えんなよ、別に取って食おうってわけじゃない。
「か、鍵は、あそこの、２段目の棚の、」
「さんきゅ」
パッ、と掴んでいた手を離し棚に向かう。
２段目の棚…
ガタッ、と引き出すと小物が多く入っていてどれだよ！と叫びたくなったが、すぐに分かった。
小さな和紙で包まれた小箱には一色家の家紋である桔梗の花と、その香りが漂っている。
…これだ。
そっと開くと、
「………は？」
ない。
何も入っていない。
かといってこの女中が嘘をついている様子はなかった。
「なぁ、」
「は、はい」
「ジジイが死ぬ前、この部屋に最後に出入りしてたのは誰だ…？」
「た、確か、松前殿かと…」
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夜桜(プロフ) - 面白いです。頑張ってください グリムジョーが、カッコイイです。 (2021年2月20日 17時) (
レス) id: 61068c4ac1 (このIDを非表示/違反報告)
むーちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！凄くいい展開で楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年1月16日 10時) (レス) id: 61a580f902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 | 作成日時：2021年1月15日 16時
