白ひげ海賊団、娘が可愛いから目に入れても痛くない【ONE PIECE】 (ページ27)

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もくもく５ページ27

「カレーおいしい！」

「そうですか！私の唐揚げも食べますか？」

「いいの！？」

「A、俺のもやる」

「わぁーい！ありがとう！たしぎちゃん！スモーカーさん！」

一体全体どうなってやがる？？

たしぎが自分の皿から唐揚げをひとつ摘んでAの皿に入れてやったところまでは微笑ましかった。問題はその後。なんとスモーカーまでも自分の果物を差し出したのだ……！

これまたびっくり仰天。

この数十分で判明したことだが、Aとスモーカーの相性はかなり良い。Aのすることに時折小言を間を挟む程度であとは放任的。あるいは好意的とも取れる言動を連発。

「ねぇねぇ、スモーカーさんもふしぎなちからつかえる？」

「不思議な力ァ？」

「うん！クザンにね、ひろってもらったときね、うみのうえをじてんしゃではしってたの！」

「あの人またそんなことを…………」

「クザンがじてんしゃではしったあとってね、こおってるんだよ！パキパキッて！しってた！？」

あれほどサボるなと口酸っぱく元帥から怒られているのに懲りないのはなぜなのか、と眉間を軽く抑えるスモーカー。それもそのはず。唯一と言っていいほど青キジはスモーカーと親しい人間関係にある人物なのだ。

恐らくヒエヒエの実のことを言ってるんだろう、と理解した彼は質問に答えるために口を開く。

「俺も不思議な力を使える人間のうちの1人だ」

「すごぉいっ！みせて！みせて！」

「俺ァ、モクモクの実の能力者。煙人間ってヤツだ」

「ぅわ！おててなくなった！」

「ある、ここに。ほら」

自身の腕を気化させ、空気中に紛れさせるとすごいすごい！と目をキラキラさせて飛び跳ねるA。

子どもが喜んだり不思議がったりする様に微笑ましくなる会場(食堂)。アリーナ席に座る海兵はその微笑ましさに尊さを感じられずにはいられない。

そんな柔らかな空間も束の間。

問題はすぐに起きた。

「ね！ね！さわってみてもいい？Aちゃん、スモーカーさんとおててつなげる？」

「あァ？モクモクの実は自然系(ロギア)だ。触るのは、」

「ふわふわ！ふわふわだよスモーカーさん！！」

「んなッ！？」

無理だ、と言おうとした瞬間。Aはその小さな手でスモーカーの腕を捕まえた。

触れないことを驚くだろうと見ていたスモーカー、そして周囲の人々。

たった4歳の幼子が、覇気を使わなければ捕まえることは愚か、触れることも敵わない自分に易々と触ってみせたのだ。

ピリつく会場。

海軍本部の人間にに拾われたのは偶然か、必然か。

おそろ恐ろしい頂上決戦が刻一刻と迫っていた。