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何事か 4 ページ21

しばらく島を堪能した2人だったが、その日は宿を取り朝イチで島を出ることにしていた。

朝食をたくさん食べ、デザートまでおねだりしたAはルンルンだった。出立の準備を済ませ、機嫌の良いまま青キジの自転車に乗せてもらう。





「うし、じゃあ行くか」


「はーい!」


「落っこちんなよ」


「おとさないでね」


「このやろ」





そうして半日もしないうちに青キジの率いる軍艦と出会い、いつの間にやら自転車から船へ。

その頃にはお昼寝の時間だったために青キジは大変苦労した。寝てるんだもんだって。どんだけ落とさないように気を使ったか。


寝てるAを抱えて軍艦へ上がれば海兵たちは驚愕の表情を浮かべる。





「クッ、クザン大将……!?その子どもは………!!?」


「しーっ、!起きちゃうでしょうが」


「む、無理やり連れてきたわけでは、」


「そんなわけないでしょ。家出少女よ、この子」


「また元帥に怒られますよ」


「……ハハ」


「アンタほんとに適当に生きてんな!!?」





自身の部下ともかなりラフな関係を築いている青キジ。

今まで頭の片隅にも置いていなかった上司であるセンゴクの存在を出され思わず苦笑い。まぁ俺が好き勝手やってンのはいつものことだし、たいして怒らんでしょ。あの人も。

そう自己完結して部屋に戻る。センゴクの気苦労は絶えないだろうな………


船を進めていくと数時間もしないうちに海軍本部の影が見えてきた。まだ明るいうちに着けてラッキーだと青キジは考えるも、問題は未だお昼寝から目覚めない家出少女。

仕方がない、抱っこしていくか。

再び少女を抱えて船を降り、ひとつの部屋を目指した。



コンコンコンッ





「入れ」


「お疲れ様です、センゴクさん」


「クザン……貴様、とうとうやりおったな…………」


「え!?何を!!?ヤメテ!!」


「元いたところに返してきなさい」


「いやぁ、それがこの子家出してきた子なんですわ」


「余計いかんわ!!」


「すっげー可愛いんですよ、こいつ。あざとい」


「働かせ過ぎたのか……?」





いつもより話の通じない青キジに眉間の皺を摘むセンゴク。過重労働による精神疾患まで疑い始めてしまった。残念ながら通常運転である。突拍子もないのは珍しいことではない。


ただ、『ダラけきった正義』を掲げるこの男がなぜ本部までこの子供を連れてきたのかと言うことがセンゴクは引っかかる。ほんとにこの子のあざとさにやられただけなのだ。おじさん情けないなんて思わないで。

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作者名: | 作成日時:2023年10月23日 23時

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