episode37 ページ39
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大きく息を吸い込んで、吐き出す。
きっと、私と宇髄さんはこの兄妹の倒し方を既に見抜いている。…問題は、それがそう簡単に出来そうにないということ。
でも、やるしかない───
「俺を忘れちゃいけねぇぜ！！」
覚悟を決めぎゅっと刀を握り直したと同時に、何処からともなく聞こえてきた威勢のいい声。
そして現れるひよっこ三人組。
余りにも突然の出来事に思わず感嘆の声を上げてしまったが、彼らの目は強くて、まっすぐで。上弦相手でもその闘志は死んでなどいなかった。
「下っぱが何人来たところで幸せな未来なんて待ってねぇからなあ。全員死ぬのにそうやって瞳をきらきらさすなよなあぁ」
ボリボリと頭を掻きむしりながら妓夫太郎がイラついたそうにそう言う。
「そうよ！それに頼みの綱の柱が毒にやられてちゃあ勝てないわよ！！」
そして続けて発せられた堕姫の言葉。
彼女の言葉に炭治郎は驚きの表情で宇髄さんに視線を向ける。私も、内心は炭治郎と同じ気持ちだ。
心配と、動揺。
だけど、私は姉弟子だから。
そうでなくとも、私はひよっこ三人組よりも遥かに経験を積んでいる先輩組。
此処で私が弱気を見せてはいけない。
『…大丈夫。妹の方は私でも一撃で斬れる雑魚鬼だし宇髄さんは強いから、毒が回るくらいの足枷があって丁度いいくらいだから』
そうですよね？と宇髄さんに視線を向ければ、彼はニヤリと「お前も言うようになったな」と笑う。
「こいつらは四人共優秀な俺の“継子”だ。逃げねぇ根性がある。手足が千切れても喰らいつくぜ！！そしてテメェらの倒し方はすでに俺らが看破した。そうだろ、A」
『…二人同時に頸を斬る。二人の鬼の頸が繋がってない状態にすれば、コイツらは消える』
「そうじゃなけりゃそれぞれの能力を分散させて弱い妹を取り込まねぇ理由がねぇ！！ハァーッハ！！チョロいぜお前ら！！」
『……』
相変わらずの煽りスキルを遺憾なく発揮する宇髄さん
ここまで来ると天性の才能だ。
「グワハハハ！！なるほどな、簡単だぜ。俺たちが勝ったも同然だな！！」
そして、宇髄さんに乗っかって大口を叩く嘴平くんはきっと影響されやすい子なのだろう。
何処かで「ド派手にな！」とか言ってそうだ。
「その“簡単なこと”ができねぇで鬼狩りたちは死んでったからなあ」
ボリボリと頬をかきながら妓夫太郎が余裕の笑みでそう返す。
奴の目には、余裕の色が強く現れていた。
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きなこもち(プロフ) - ひかるさん» 観閲ありがとうございます、とっても嬉しいです！ (2022年5月8日 19時) (
レス) @page50 id: 869b2e483e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - すごく面白いです！ (2022年5月8日 15時) (レス) @page25 id: 97f5eb0e61 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - いいさん» いいさん嬉しいお言葉ありがとうございますm(_ _)m。マイペース更新ですが頑張りますのでこれからも見ていただけたら嬉しいです！ (2021年10月19日 15時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)
いい - 一瞬で心鷲掴みにされました！応援してます！頑張ってください！ (2021年10月17日 9時) (レス) @page47 id: ac051c4e24 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 凌雲さん» 嬉しいコメントありがとうございます！とても励みになりますm(_ _)m (2021年9月23日 10時) (レス) id: 8cb9599803 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2020年4月5日 17時
