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episode33 ページ35




「どういう、つもりですか…」


敵意と困惑が入り混じったような瞳でAを見る敦。

出会った時こそ“命の恩人”として分類(カテゴライズ)されていた彼女だが、先日の一件や先程の組合の長と対等に話し合う姿を見てしまえば、敦の中で“警戒すべき相手”として捉えてしまうのも無理はなかった。



『…何に対してそこまで怒ってるの?』

純粋な疑問をぶつけるようにそう問う彼女に、敦は苛立ちをぶつけるように声を荒げる。


「貴方たちのせいで、この街はめちゃくちゃになりかけている!!貴方に人の心は無いんですか!?」

息を切らしながら激怒する敦と対照的に、Aの声は静かで凛としていた。


私の所属する組織(ポートマフィア)はこの街を守るためにある。それを侮辱するなら私は君を今此処で消す。それに───』





君だって、モンゴメリと鏡花の人生めちゃくちゃにしたじゃない。




中途半端に光や善意を見せたせいで、安定した場所にいた彼女たちを引き摺り下ろしたでしょう。





「……それは」

『自分のこと、棚に上げて人を非難するのは良くないよ』


にこりと微笑むAからは感情を読み取ることができない。
が、言葉に詰まり俯く敦に『たったあれだけで言いくるめられちゃうなんて、人虎君って結構精神(メンタル)弱いね。もっと鍛えた方が良いよ』と更に追い討ちをかけるAはそれはそれは楽しそうだった。


『まぁ、今はそれどうでもいいんだけどね。……私は此処から出たい。四肢が捥げようが、意識が無くなろうが、二度と目覚めることが出来ないと言われても此処から出たい。あ、でも遺品と遺骨は中也さんの元に渡るのが最低条件だけど』

「……」

『だから、君と手を組みたい』

「えっ…」

『此処から一緒に脱出してほしい』


思いもよらぬ言葉に敦は目を丸くする。


初めて出会った時と同じように、吸い込まれそうな目をしているな、と敦は思った。
真っ直ぐで、それでいて強い瞳。




「でも、どうやって…」

『最低限必要なのは、Qの人形とこの飛行要塞の外壁に通ずる扉』

一人、居るでしょう。うってつけの人員が。



そう言葉を続けたAに敦はぱっと顔を上げる。


「まさか──」



『そういうことだから、貴方にも協力してほしいんだけど。モンゴメリさん?』




Aが視線を牢獄部屋の扉へ向ける。



そこには、Qの人形片手に此方を忌々し気に睨みつけるモンゴメリが立っていた。

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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時

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