中原中也に忠誠を誓った少女【文スト】

episode1 ページ3

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『今回も退屈な任務だった…』



片手に持っている綿菓子を口に頬張りなが今日の任務内容を思い出す



午前中はポートマフィアと敵対する組織の情報集め


午後は敵対組織の殲滅補助
…と言っても抗争の応援要請を受け 現場に出向いた時には既に抗争は決着がついており、完全な無駄足になったわけだが。



……あれ、私今日ろくに仕事してない



自分への褒美のつもりで買ったこの綿菓子だったが、褒美に値することを私は何もしていない



『龍之介にでも贈呈(プレゼント)しようかな…』


いや、彼は甘いものは苦手だったかーー



口の内で広がる綿菓子の甘さがなんだか虚しくなってきて。前方から軍警の集団が走ってくるのを見て とりあえず道を譲る

まさかこんなところにポートマフィアの構成員がいるなんて思いもしないのだろうな…


案の定、集団の誰一人として私の方を一瞥する事もなく 逆にどうも、なんて声をかけられる始末である

それをお辞儀で返し 再び歩き始めようとしてーーー止めた



どこからか、視線を感じる




その視線の元を探すべく 辺りを見渡せば 河川敷の下で 驚いたような表情をしている少年を見つけた

……感じた視線はあの人からか


お世辞にも良いとは言えない身なりのその少年は こちらをじーっと真剣な眼差しで見つめ 困惑したように頭を掻いた……かと思えば今度は何かを決心したように拳を握っていてーー


『ふふっ』

気付いたら 階段を降りて少年の元へと足を進めていた

普段なら絶対見て見ぬ振りをする筈なのだけれど。




『…君、何処から来たの？』


親切心か はたまた興味本位からか…

私は少年に声を掛けていた

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