episode18 ページ20
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『…これまた派手にやられましたね』
手元の携帯で速報で流れてきた
画面の中では 多くの報道陣が興奮したように中継をしていた。
《ご覧ください!七階建ての建物が一夜にして消滅してしまいました!一部情報筋では消滅した建物はポートマフィアのフロント企業が入っており───》
プツリと携帯の電源を切って 何事もないように鼻歌を歌いながら目の前を歩く其の人に 今度は盛大にため息をついた。
『構成員の事務所として使われて居たポートマフィアのフロント企業が消滅。貴方の嫌う、かなりの負債ですけど?
「矢張り外国の組織は怖いねぇ。何をしでかすかわかったもんじゃない」
顔だけをこちらに向けて困ったように笑う首領は、言葉と顔とは裏腹に全く怖がってもいないし、困ったようでもない。
相変わらず何を考えているのかわからない人だ
『…それで。こんな時に呑気にお買い物ですか?しかもこんな大通り。白昼堂々マフィアの首領が何をなさってるんです?』
そう問えば、よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりにニッコリと満面の笑みを向けられた。
「それがね!エリスちゃんが此処の通りの和菓子を食べたらこの間買った服を着ても良いって云ってくれて…!」
『なるほど、聞いた私が馬鹿でした』
「赤いリボンが白を基調としたワンピースによく映えてて可愛いんだよぉ〜」
脳内で其の衣装を着たエリス嬢を想像しているのか、デレデレと頬を緩ませる中年男性はとても横浜を牛耳るマフィアの首領とは思えない。
エリス嬢も毎日こんなロリコンの相手をしているなんて中々の激務。ご愁傷様です、どころの話ではないな、と心の中でねぎらいの言葉を並べていて はたとある事に気づく。
『ところで其のエリス嬢は何方に?』
首領の周りを見ても、いつも彼の隣を歩いている金髪幼女の姿がどこにも見当たらないのだ。
首領も其の事に気付いたらしく 先程まで緩んでいた頬は何処へ行ったのか アタフタと辺りを忙しなく回り始める。
「若しかしてこの間のぷりきゅあごっこの続きかい?」
『……』
私の視線もどこ吹く風、首領はひたすらに姿の見えないエリス嬢に声をかけ続ける
「頼むから出てきておくれ、何処だいエリス?」
そんな時だった
「退けッ!!」
首領が後ろから走ってきた青年に突き飛ばされたのは
あの子確か──
そう思った次の瞬間 目の前の景色が変わった
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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時