流星群と王子様 (ページ16)

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初めて会った時ページ16

奏side

10年前の話

その時はまだ母が生きていた頃

母の友人である玲子さんに会った時にAはいた

恥ずかしがって、物陰に隠れているから気になって仕方なかったんだ。

玲子さんとAは親子で、似ても似つかない性格。

玲子さんはよく話すけど、Aは物静かで消極的

奏母｢Aちゃん、奏とお菓子食べない？｣

そう母上が言っても小さい声で

『お構いなく』

そう言った。

玲子｢あの子、昔から遠慮しすぎるところがあるから…ごめんね？｣

奏母｢いいのよ。あ、それなら、このお菓子は私からAちゃんへのプレゼントにしてもいい？｣

奏｢母上!!それは僕が渡してきます！｣

咄嗟に出た言葉を自分でも受け入れられなくて…

でも少しでも関わってみたいと思ったんだ。

Aのところに行くとちょっと身体を強ばらせ

逃げるように避けて行った。

『…あの。』

奏｢母上からのプレゼントです！受け取ってください。｣

そう差し出しても一向に受け取らない。

もしかして、

奏｢こうした方が良かったですか？｣

Aの手を強引に掴みその上にお菓子が入ったラッピング袋を乗せた。

ちょっと、驚かれたけど

その時にほんの少し微笑んで｢ありがとう｣って言ってくれた。

玲子｢良かったね～、A。お友達できたじゃない。｣

それが嬉しくて

奏｢もし良かったら、一緒に本を読みに行きませんか？｣

そう言ってた。