自分の存在意義【WEST】 (ページ21)

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赤side

少しだけ俺とAの過去についてお話をしよう。

前の話した、Aと離れられなくなった“魔法”

それについて話をしよう。

これはまだ孤児院に居た頃の話

Aは人と仲良くするのが苦手やった。

唯一仲良かったのが俺とかみちゃんだけやった。

先生たちもAの扱い方が分からんくて

俺とかみちゃんにAのことを任されてた

院長先生だけはAに他のみんなと同じように

接していた。

Aも院長先生には心を開いてるようで

仲が良かった。

そんなある日、院長先生に俺とAが院長室に呼ばれた

院長室に入れば、院長先生が

院長「ダイキくん、あなたはこれから先何があってもAちゃんを守りそばに居る？」

赤「うん！俺はAのそばにずっーと居る！！」

院長「じゃあ、Aちゃんはダイキくんのそばに居る？」

白「うん！居るよ！」

院長「じゃあ、2人には“魔法”をかけてあげよう」

赤・白「魔法？」

院長「そう。2人がずっーと離れない魔法」

俺とAは院長先生に魔法をかけられた

なんで俺とAだけだったのか

どうしてかみちゃんにはかけなかったのか

Aが聞いていた。

院長「それはな、2人は大人になったら結婚するんだよ。」

赤「俺とAが？」

院長「うん。今は友達としての好きだけど大きくなっていったら恋人になるんだよ」

そんなことを言っていた。

結婚するのかどうかは分からへんけど

離れないって魔法はしっかり効いていた

ほんまに離れなくなるなんて思ってへんかったし

先生たちに将来どうするの？なんて聞かれても

俺もAもずっと一緒に居る！なんて言ってた

かみちゃんは魔法にかかってない

だけど一緒に居るのは、俺とAにはかみちゃんが

必要ってことやから。

小さい頃からかみちゃんが俺とAの間におったから

ずっと一緒に居れたし今だって一緒に居れる

こんな関係が保ててるのもかみちゃんのおかげなんや

何かあれば俺と一緒にAを守ってきた

本当は俺よりもかみちゃんの方が

Aを守ってきた回数やそばに居る方が多いと思うねん

いつも冷静で俺みたいに感情的にならない

俺は反対で感情的になって守ってるつもりでも

多分、Aを苦しめてる