【APH】主食とデザートを詰め込んで―２―【短編集】【反応集】

Flower Dance〖墺〗〖悲恋〗 ページ38

こちら、国柄のことは関係なく、ただこの話はきっとオーストリアさんが素晴らしいのではないかと勝手な妄想で描きます。


こちら曲名を話の題名にさせて頂きました。

雰囲気的な話です。内容はそんな濃くありません。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -

オーストリア side

あぁ……。


どうして、、、。


私の愛おしいA……。いかないでください。



彼女の墓の前で、黒い服に身を包み、悲しく花束を抱えているなんて辛いものです。貴女も分かってくれるでしょう？この気持ちは、誰にも分からない。



大切な貴女を失った私の気持ちなど、誰にも理解はされません。



今も聞こえます……。


『オーストリアさん！これでいいですか？』

『オーストリアさん、これ、貴方のために作ったんです……受け取って貰えませんか？ドライフラワーというものなんです。きれいな花は、いつか枯れてしまう、でも枯れ方を変えれば、それはとても美しい姿を保ったまま枯れた姿も、綺麗なんです。私も気持ちが、一生褪せぬように……。』



オーストリア「なぜですか……私を置いて逝くなんて……許せるわけありませんｯ……早く起きなさいｯそんな所で寝てるなんて許しませんよ……このお馬鹿さん……ッ」



その時に、ポツっ、ポツっ、と私の頭に何かが落ち始めて、それが雨だと気づくのは上を向いて降り続く雨を見てからだった。


その時に、私は、彼女と踊った踊りを思い出していた。最後に、貴女と……。


スコップで彼女の墓を掘り返して、綺麗な顔で亡くなる彼女を抱えて踊った。


彼女が、私と踊ることを好きだと言ってくれた。



『こうして踊ってる間も、オーストリアさんの温もりを感じて踊れるなんて、私はこれ以上の幸せはありませんよ……』



オーストリア「どうせなら、私も連れて行って欲しかった……A……貴女は私の、最初で最期の……恋人ですよ……」



彼女の顔が上を向いた時、撫でるように頬から滑り落ちる髪が綺麗で。亡くなって細くなった身体も何もかもが、私にとって愛おしかった……。


オーストリア「目を開けてｯ……」



その墓場を通ると、すすり泣く男が、亡くなった愛おしい彼女を抱きしめながら踊っていることが噂となった。



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社交ダンスのタンゴには色んな由来がありますが、私はこの話が切なくて好きです。

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