屋上の彼 1〖米〗〖教×生〗 ページ1
「ここにいたんだな、探したんだぞ」
ふと後ろを振り返った時に、はにかんだ笑顔でこちらを見るアルフレッド・ジョーンズ先生がいた。私とは違って明るくて、笑顔が素敵で、信頼があって、人気者で、優しい先生。
そんな彼が、何故ここに。
「どうしてここに、」
アル「うーん、君がいないって菊先生に言われたからだぞ」
なんで自分は放課後を選ばなかった?これじゃどうぞ助けてくださいと言っているようなものじゃん。彼はそう言ってから手すりに寄りかかって風を感じるように目をつぶった。
自分は、風の音を聞くように目線を真っ直ぐあげた。街が見えて、そして、下を見れば灰色のコンクリートが蠢いているように見えた。
ここから飛び降りたら……。
アル「死ぬよ?」
「え、」
アル「さっきから暗い顔ばっか浮かべてるから言うけどさ、ここから飛び降りたら、下手したら死ぬ。もしここから飛び降りて生きてたとしても、君のこれからの人生幸せに暮らせるとは思わない。」
平然とそういう彼は、私に向ける視線は、まるで、冷たかった。表情は無表情で、何も感じ取らせない。
アル「今から引き返せるよ、」
「でも私には、もう、生きることは出来ないんです……」
アル「今を見たらそう思うさ、誰でも。でも、少しでも前を進めば、自分が思っていたこととは違う展開があるかもしれないじゃないか。今ばっか見てるのは、間違ってる」
キッパリそう言うアルフレッド先生の言葉で、自分の何かが壊れかけた気がした。今から飛び降りれば、たった一秒を耐えれば、自分は。
そう思ったのに、彼は。
アル「掴まえたんだぞ、もう離さない」
私の手を掴んで、また笑顔を作って、笑った。私は、彼がどう思っているのか分からなかった。
彼の隣に立った時には、もう足に力が入らなくて地べたに座り込んでしまった。彼は慌てて片膝を着いて、私の肩を掴んで身体を支えた。
アル「無茶するからなんだぞ、そんなことすれば、誰だって怖気付くさ」
そう言って上着を私の肩にかけてくれた。担任でもない人が、影の薄い私に何故ここまで優しくするのか。
上着から、アルフレッド先生の匂いがする。久しぶりに人の体温を感じて、涙腺が崩壊した。嗚咽を漏らしながら、目が腫れるまで、涙が枯れるまで泣き続けた。
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咲夜 - リクエストで古明地こいしのコスプレしてみたで追加キャラは シンガポールさんとマレーシアさんとフィリピンさんよろしくお願いします (2022年9月25日 18時) (レス) id: f2c43ad404 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - わぁーありがとうございますm(_ _)m (2022年9月25日 17時) (レス) @page48 id: f2c43ad404 (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - リリーさん» 了解しました!リクエストをお書きする時は後編に書かせていただくのですが、それで宜しければお描きします!!ありがとうございます😊 (2022年9月24日 15時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 私のリクエストに応えてくださりありがとうございました。日帝さんもいて嬉しかったです。次のリクエストとして夢主と彼が入れ替わってしまったらというのをお願いしたいのですが大丈夫でしょうか? (2022年9月24日 10時) (レス) id: e6c12b1f61 (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - Maさん» 了解しました!!コメントリクエストありがとうございます! (2022年9月23日 12時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華紅薇 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時:2022年9月9日 21時