Episode22 【SHO side】 ページ22
１日のスケジュールを全て終え、Aさんの運転する車で帰宅する。
「はぁ〜お腹空いた〜。平野くんもお腹、空いてるよね？」
リビングに荷物を置くと、キッチンに立ちながらAさんが尋ねる。
「まぁ…」
「手の込んだものは作れないけど、夕飯作るね」
そう言って腕まくりをすると、冷蔵庫を開け何やら物色し始めた。
手持ちぶたさになった俺は、とりあえずスーツケースから部屋着を出して着替えると、ソファーに座りテレビをつける。
画面からはバラエティ番組特有の賑やかな笑い声が聞こえてくるが、その内容は頭に入ってこない。
俺は視線を画面からチラチラとAさんに移しながら、その姿を盗み見た。
仕事で疲れているだろうに、料理するAさんは時折小さく歌を口ずさんで楽しそうだ。
「できたよ!!」
呼ぶ声に導かれ、ダイニングテーブルにつくと、そこにはオムライスとサラダ、そしてスープが並んでいた。
「おぉ美味そう！」
「私、料理はそんなに得意な方じゃないから味は保証できないけど…」
心配そうなAさんの声を聞きながらオムライスを頬張る。
「美味い！！」
「本当？良かった〜。今日のお昼、岸くんとオムライスの話してたら何だか食べたくなっちゃって」
言いながらAさんもオムライスを食べる。
「へぇ〜…岸くんとそんな話したんだ」
スプーンを持つ手が止まる。
「打ち合わせって言ってたじゃん…」
「まぁ最初はちゃんと打ち合わせしたんだけど、後半はほぼ雑談って感じだったなぁ〜。岸くん、お料理得意だから色々教えてもらったりして。オムライスには隠し味としてウスターソース入れるといいって教えてくれたから、早速やってみたの」
さらにオムライスを口に運び、１人納得したようにうなずく彼女をただ見つめる。
「仲いいみたいじゃん、２人」
「そう？確かに岸くんとは話も合うし、ノリも合うっていうか、楽しいよ。今度一緒にご飯行こうねって話してる」
「･･････行くの？飯…」
「うん、行きたいけどなかなかスケジュール合わないからしばらくは難しいかな。平野くんもドラマの撮影始まるし、そうなるとなかなか、ね」
「へ、へぇ〜」
その後、俺は普通にふるまっていたけれど、口にするものの味が分からなくなってしまうほど、内心では動揺していた。
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さや(プロフ) - chihiropooh1123さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！ 頑張って続き書きます！！ (2018年6月11日 0時) (
レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
chihiropooh1123(プロフ) - 凄く楽しませて貰ってます。次回話楽しみにしてます。 (2018年6月10日 15時) (レス) id: 016550d6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2018年6月2日 2時
