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これが俗に言う、修羅場と言うやつか、とお嬢は理解した。目黒の部屋を尋ねた時に読み聞かせしてくれた本に書いてあった難しい言葉。
12歳に突飛な本を読み聞かせた目黒も上手く説明出来ないでいたけど、体感してお嬢は理解した。
「ちょっとちょっとそんな怖い顔しないでよ、俺たち用事あっからごめんね？またこーんど！」
「ちょっと待ってよ、まだ」
「こぉら、ダメでしょ佐久間ぁ。連れて帰んね？」
さっさと退散しようとした佐久間の首根っこを掴んだのは、繁華街の胡散臭い雰囲気が誰よりも似合う男。
「お嬢は外出ちゃダメでしょ？」
「……さくまがふかざわ許可したって」
「してないからね」
一刀両断、ニコリとも笑わずに冷徹に。
「ちょっと、誰？大介くんとの時間邪魔しな「お前が邪魔しないでくれる？部外者でしょ、あっち行ってくんない？」
茶髪の巻き髪を揺らしながら間に割って入ってきたが、深澤の目の圧に一瞬でやられて悔しそうに身を引いた。
「帰るよ、阿部ちゃんから連絡きてビビったわ」
「インパク行くだけじゃん」
「お前照にしばかれたいわけ？ドMだっけ？」
ぶすっとむくれた佐久間に追い打ちをかける。
佐久間にしがみついたままのお嬢は深澤と帰るなんて絶対に嫌だと佐久間に念を送る。
「ラウールと会わせてから送り届けるって〜」
「却下。家で出来る」
駄々をこねる佐久間の願いは聞き入れてもらえず。
ついでに、深澤は佐久間の腕の中からお嬢を取り出したので、お嬢の願いも聞き届かなかった。
強引で、冷徹、体温も氷のように冷たいんじゃないかと思っていたが、腕の中はそれなりに温かかった。
だから、余計に怖い。
「ほんとに頭かってぇな、ふっかモテないぞ」
「女には困ってねぇから」
左耳のアメジストのピアスがギラりと光る。
「うわぁ、聞かせたい、世の女の子達に。かぁわいそ」
いつものように、そんなこと微塵も思っていないように哀れんだ。
「行きましょうね、お嬢」
首を動かして、顔をのぞき込まず、上から目線だけお嬢に向ける。冷えたその視線が怖い。
「……てことで、ごめんねぇ、Aチャン。代わりにラウールお部屋にぜってぇ連れてくわ」
「……まってる」
帰り道が気が気じゃないお嬢は、佐久間に対して恨みやらなんやら複雑な思いを抱えながらそう答えた。
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
