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「……やっぱり、A行かない。ラウは気になるけど、家で話す。しょうたとだて居ないし」
佐久間の頼りなさ、と言うよりもこの人間といたら危険な目に合うだろうという本能的な勘が働いた。
「にゃんでぇ……」
納得がいかなそうにした顔を見せる。
ピンク色の眉は垂れ下がり、今度はちゃんと残念がっている。
「……ラウ、Aのこときらいになったかな」
そんな佐久間に目も向けず、お嬢は寂しげに呟く。
「んーー、そんなことないでしょーよ！ラウールもオヒメサマのこと気にしてんよ、いつもね」
「……」
信憑性がない言葉に怪訝な目線を送る。
「ほぉんとだってぇ！！Aちゃん元気かな？俺の事嫌になっちゃったかな？なんて話しかけたらいいかな？って言ってるよぉー！！佐久間さんもう聞き飽きちゃったんだから！」
身振り手振りを付け加え、余計に騒がしく申し立てる。
「……わかった、会いに行けばいいの？」
「そう来なくっちゃあ〜♡」
観念したお嬢がジト目でそう言えば、口角をいつもより二割増で上げる。
「くみちょーにきょか、」
「なんと！佐久間さん、既にふかざわくんに許可貰ってまぁす♡」
いえーい！とピースサイン、どうにもこうにも胡散臭い。
きっと「あぁ、いーんじゃない。行ってらー」と適当に許可を与えたに違いない。
「……ふかざわだめ。くみちょー」
「だいじょーぶい！行っくぞぉー」
岩本に許可を取るように促したお嬢の意見を聞き流し、ひょいと抱き上げた。二十代後半の男性の力に敵わないのをいい事に。
「ちょっ、と、やだ。しょうたとだてに手紙」
「へーきへーき、すぐ帰ってくんだから」
「やだやだ、さくま！」
力いっぱい抵抗しても、佐久間には無効。
「阿部ちゃぁーん、行ってくんねぇ！百合組によろしくぅー！」
廊下に向かって馬鹿でかい声で叫ぶ。
「…えーー？なにぃーーー？？」
遠くから阿部の声が返ってくる。
「おじょーーーとインパクーーーー！！！」
「…………え！！！！！？？？駄目でしょ！！！！待って佐久間！！！！！！」
数秒経ってからガタンっと大きな音がして、阿部の焦った声が屋敷に響く。物音は止まず、佐久間を止める支度をしているのだと察した。
「ばいばーい！！」
「ちょっ、ちょちょ待ってってば！！！！」
セキュリティ万全な玄関を開けて、佐久間はお嬢を連れて外へ出た。
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
