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「しょうた！！」
嬉しそうに飛びつくお嬢、とそれを簡単に抱きとめる渡辺。
「ははっ、危ないよ、お嬢。翔太はお皿持ってるからね」
「あっ、ごめんなさい、」
宮舘の優しい注意に思わず項垂れる。
向井が握ったおにぎりは、形は崩れていないものの倒れてしまっている。
「気にすんな、味は一緒」
「まぁ、そうなんだけどね」
渡辺は宥めるようにして愛しいお嬢を撫でる。
「しょうた、じゅりのとこ行ってたの？」
「そうよ、でも樹仕事行っちゃったから。北斗と話した」
自分から聞いたのに、その名前から田中の押しの強さを思い出したのか、ビクビクしだすお嬢を見て、話題を松村に切り替える。
「ほくと！！」
「また家庭教師に来てくれるってさ」
「ほんと！やったぁ」
無邪気に喜ぶお嬢を微笑ましく見つめる二人。
伝えるべきことを言って満足したのか、渡辺はおにぎりに手を付け始めた。
「ん、涼太の」
口にもごもご詰め込みながら、もう一つを宮舘に差し出す。
「ありがとう」
それを当たり前かのようにスっと受け取る。
このスムーズさが百合組だ。
「中身なぁに？」
「…ん、昆布だ」
大きな口を開けてかぶりつけば、一口で中身にたどり着く宮舘。好物の昆布に満足げの様子。
「Aはね、しゃけ！」
「二個目はしゃけだったの」
「そう、おいしいよ」
「良かったな」
左右からお嬢を包み込む暖かい言葉。
三人で食事をとることは実に久しぶりなことで、いつも二人のどちらかが仕事で抜けていることが多かった。
「三人、うれしい」
「俺たちと一緒だと、お嬢は嬉しい？」
「うん、二人が横に居てくれるのが一番うれしいよ」
ふわりと微笑むお嬢。
この笑顔があるから、二人は世話係を辞められないのだ。
無論、辞めようと思った事など記憶の限り一度もないのだが。
「俺も嬉しいよ、翔太とお嬢のそばに居られて」
「俺も幸せ」
二人してお嬢の顔を覗き込むようにそう言えば、頬を赤らめて照れたように言った。
「……おんなじ」
心から嬉しそうにそう言うものだから、
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
