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そんな会話を横目に宮舘は動く。
「康二、お嬢のご飯だけ先貰うね」
「あっ、すまん！俺持ってくわ、座っててや」
先程まで振り回していた菜箸をやっと置き、いそいそとお盆の上に皿を乗せる。
円形の、縁の装飾が華やかな白いお皿に、一口サイズに切りそろえられた、
「サンドイッチ、」
「せやで〜、ハムと卵のやつお嬢好きやろ？」
「ん、すき」
はにかむように笑ったお嬢は知っている。こわい夢を見た朝は、いつも康二が好物を作ってくれることを。
宮舘が言ったのか、はたまた起きていて気づいていたのかまでは知らない。
「良かったね、お嬢」
首を傾げるようにして、顔を覗き込んでふんわり微笑む。
そんな宮舘にお嬢は満足気にうなづいた。
「舘さんのも用意した方がええ？」
「いや、俺は後で戴くよ。ありがとう」
そう言った目の下には濃い隈。
渡辺が"仕事"で出てしまっていた昨夜は、宮舘が一晩お嬢の側に付いていた。
世話係と言いつつも、構成員の少ない吹雪組、仕事はそれだけではないのだ。
「舘さん寝たら？俺解剖ひと段落ついたし、お嬢とご飯もらうよ」
「え、いや、「だて、おやすみ、……ね？」
真ん丸の二つの眼でじっと圧をかける。
こういう圧のかけ方はどことなく組長に似てるなぁ、と傍から見ている向井は思う。
「だてとはいつも一緒だから、今日はべべ」
「……分かりました。お心遣いに感謝します、お嬢」
目を伏せ、長いまつ毛をフルりと揺らしながら、諦めたように息を吐くと、わざとらしい敬語でお礼を言った。
「じゃあ、Aお嬢、俺とご飯いただこうね」
「うん」
丁寧に床に下ろしてくれた宮舘から離れ、阿部に寄り添うように近づく。
「お嬢、また後でね」
「うん、たくさん寝てね」
＿＿＿＿だての顔が疲れてると、A悲しいから。
自室に向かう大きな背中への小さな呟きは、隣の阿部しか拾い上げることができなかった。
阿部はシワシワの白衣から袖を出し、優しくポンポンと頭を撫でた。
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
