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「ねぇお嬢、なんでラウールの話を聞こうと思ったの？」
お盆を机に運びながら宮舘は聞く。
お皿に乗った小さなおにぎりはお嬢専用だ。湯気がたっているお味噌汁は具だくさんで体の芯から温まりそう。
「Aはわかってあげられるって、思っちゃった」
小学生が間違いを誤魔化す時のように笑った。
「……怖い夢みるから？」
「それもあるし、Aはころされかけたって聞いたから、身体のどこかでおぼえてて、それでラウの心の痛みもわかるかなって。共感できたら苦しみは半分になるでしょ」
表情に似合わない大人びた回答に宮舘は苦笑する。
こうなってしまったのは間違いなく自分たちのせいだと。
「確かにそうだね。……お嬢、おにぎりどれがいい？」
これ以上深掘りしてしまうと、ラウールに関する話でボロが出てしまいそうで、話を変えた。
「まんなかのやつがいい」
「これね、はいどうぞ。ちょっと熱いよ」
「ん、だてありがと」
お嬢は気にすることなく、ようやくご飯にありついた。
中身は贅沢に大量のイクラ、これもまたお嬢の好物なのだ。
「いくら、！」
「あははっ、良かったね。美味しい？」
「ん、おいし、」
「……お嬢、付いてるよ」
唇の横に付いてしまった米粒を指摘し、躊躇なく左手を伸ばして米粒を取る。お嬢はくすぐったそうに目をつぶった。
宮舘はそのままパクリと米粒を食べてしまった。
「美味しいね、お米もいい味付け」
「だて食べる？」
宮舘が起床してこの部屋に直行してくれたことを思い出し、お嬢は気遣う。
「お嬢が食べきれなかったらもらうね」
いつも通り爽やかな笑顔でそう言った。
もぐもぐと口に頬張って、お嬢はリスみたい。
「あ、だて、しょうたは？」
「寝てる、かな？もしくはちょっと出掛けてるかも」
顎に指を添えて左上を見て思い出すように答える。
「お仕事じゃなくて？」
指に張り付いた米粒を口で啄みながらお嬢は聞く。
「樹んとこにお出かけしたかも」
「……じゅり、Aほくとがいい」
SixTONESの樹の名前を聞いた途端、ほんの少し顔をしかめた。お嬢は何度か会ったことがあるのだが、少々勢いがあり過ぎるところが玉に瑕。
「樹は押しが強いからね、北斗にまた家庭教師頼もうか」
見越したようにして宮舘は笑った。
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霞(プロフ) - takkimakkiさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも素敵な百合組お届けできるように頑張ります！ (2023年1月2日 23時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - まなみんさん» コメントありがとうございます！励みになります( ¨̮ ) (2023年1月2日 23時) (レス) @page30 id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - すごく好きなお話です。ころからも楽しみにしています！！百合組、素敵です。 (2022年12月29日 10時) (レス) @page34 id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
まなみん(プロフ) - 続きが気になります！無理せず更新頑張って下さい！ (2022年12月11日 8時) (レス) id: 5b5d40fc7f (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - 雪姫さん» ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります。 (2022年12月5日 0時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2022年11月30日 1時
