生涯の友、まだ知らぬ君 ページ10
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「……人がたくさん。イアン」
入学シーズンともなり、ホグワーツに入学する生徒のほとんどが買い出しに出ているのだろう。
気を抜いたら、人の波に呑み込まれてしまいそうだ。私の小さなからだではなかなか前に進めそうにない。
無意識にイアンを呼ぶ。
不安を感じ取ったのかイアンがAの足をカリカリと掻き、抱き上げろと言う。
両手でイアンをすくい上げると、イアンは器用に肩に乗っかる。首に移動し、反対側の肩に行ったが、居心地が悪かったようで、結局手の中に戻ってきた。
「行こう…まずは杖、」
普段、魔法の練習をする時は杖を使った実践はほとんどなかった。魔法薬学や、箒の実践、簡単な呪文の詠唱……使うにしても、フィガロのお古を使って、Aには何となく合ってはいないと感じ取っていた。
イアンが小さく、シィーッと鳴き、ここだと示す。
オリバンダー、……ここが。
カランッと綺麗な音を立てて、扉を開ける。
中には先客がいたようで、Aと同じくらいの歳の子＿＿
真っ黒の髪した顔の端正な顔立ちの男の子がちょうど杖を手にしたところだった。
上等な服を着て、汚れひとつない。気品のある大人を連れ、そばには屋敷しもべ妖精もいる。
魔法界で位の高い人なのだろう。
純血主義は名家に多いとフィガロは言った。警戒しながら、店を見る。
ふと目線をあげれば、こちらをじっと見つめる男の子。
店内は暗くてよく見えないが、綺麗な瞳だと思った。
その熱烈な視線にどうすればいいのか迷っていると、イアンが腕を引っ掻いてきた。
「…っ！イアン!!」
小声でイアンを制する。
きっとお前がぼーッとしてるから、とでも言いたいのだろう
店主らしきおじいさんと、大人の人が話をしている間、ただ、杖を見て回ることしかできなかった。
止まない熱烈な視線と、
後ろから近づく足音に気づいていながらも。
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霞(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます！嬉しいです、カメさんですが頑張ります！！ (2022年9月20日 21時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです！頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月10日 13時
