二十七夜 ページ28
「…っ、」
そうだ。幼い頃、彼からプロポーズを受けて、そして…
でも、今の私は
「…ごめんなさい…私、その…」
何とかぽつりと放ったその言葉は彼の癪に触った様で、
「何故だ…？幼い頃はあんなに遊んでいたし、プロポーズも快く了承してくれたじゃないか！それに、この婚約自体君に損は無いはずだ！…君にとっても君の家にとっても！」
両肩を強く捕まれ、揺さぶられる。
でも、その言葉や行動に心は一切動かない。
彼だったら……どうしただろう、
彼の事だ、キザな事をするだろう。
いや、逆に普通に手を差し出してくるだろうか、
「…A、君好いた人が居るのか」
「え…？」
「顔にそう書いてある。……誰だい？」
「…貴方に言って分かるの？」
私のその態度に大きく溜息をついて、私に背を向ける。
「その人と上手くいっていないように見えるが？」
「……何故そう思うの？」
「上手くいっているなら、真っ先に断る筈だ。……お父様にでも跳ね除けられたか？」
「…そんなんじゃないわ、」
「まぁ良い。俺は君を諦めはしないからな。パーティーには出席するように」
低い声でそう吐き捨て、恐ろしい目で私を見詰めて部屋を出て行った。
強く掴まれた肩が痛かった。
________________
「やっほ〜、ここに来るのも久し振りだわ〜」
「こんにちは、Aちゃん。今日は宜しくね」
「ふふ、いらっしゃい。園子、蘭ちゃん」
今日は女子会って事で、私の家へ二人が来た。
友達呼ぶなんてあまり無かったから凄く浮かれてる。
「Aちゃんはずっとここで一人で…？」
「えぇ。でも召使いも数人居るし、寂しくはないわ」
「Aったら嘘ばっかり〜偶に寂しくて私に電話とかしてきたじゃない」
「ちょっ…！園子！」
こうして世間話なんか色々進めていたら、案の定園子がその事を聞いてきた。
「そういや、彼氏とはどうなのよ？」
彼氏、ね…
彼氏じゃないのよね…
「…彼は別に彼氏じゃないのよ」
「えぇ！？どういう事よ、」
「…あの時のあれは、あの人が勝手に言ったことなの」
「それ本当なの？」
「えぇ…」
そして、園子はふーんと私を見て
「何だか食えない顔ねA。……彼の事好きなんじゃないの？」
「っ…やっぱり分かり易い？」
「顔に書いてあるわよ。…そんなの告白しちゃえば良いじゃない」
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蘇澳(プロフ) - 絲さん» 飛んできてくださってありがとうございます！よろしければまた読んでやってくださいませ〜 (3時間前) (
レス) id: 92b4cb2eaf (このIDを非表示/違反報告)
絲(プロフ) - 更新通知を受け、すっ飛んできました…本当に大好きな作品なので、続編とっても嬉しいです（ ; ; ）楽しみにしてます♪ (4月25日 0時) (レス) @page43 id: 86d7744b06 (このIDを非表示/違反報告)
シアん。 - 軽く23回咳き込んだに見えてしまった (8月19日 8時) (レス) @page8 id: 2170ff9ae1 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - この小説私得だ…めっちゃ好きー。言葉に表せないくらい好きです！これからもがんばってください！ (2019年11月3日 22時) (レス) id: 1eb05cfcac (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - チイナさん» 私の拙い文章にそこまで言ってくださって本当にありがとうございます…！チイナさんのお言葉に感動して涙が出ました…そこまで私の作品を楽しんで下さりありがとうございました！感謝でいっぱいです！ (2019年7月24日 19時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年4月15日 7時
