十四夜 ページ15
「……快斗…」
心なしか抱き締めるのが強くなった気がする。
そして、彼の瞳が怒っているようにも見える。
「君は誰だね！私は彼女と話していただけだ！」
「Aは俺のフィアンセです、その手で触れないで頂こうか」
私の瞳を見詰めながらそう言い切った彼のその言葉に、嘘だとわかっていながらも嬉しく感じてしまう。
ぬか喜びだと分かっているけど、嬉しいと思う以外に無くて…
「…快斗」
熱の篭った目で彼を見上げ、そっと身を寄せる。
「怖かった…」
ぼそりとそう呟いて俯くと、そっと背中をぽんぽんと叩かれる。
「今後彼女には近付かないで下さい」
そう言って私を抱いて快斗と身を翻す。
振り返って男の瞳を見ると、何か企んでいるような目で。
「…見んな、あんな奴」
唇を窄めてふいと顔を逸らした彼は、見たこと無くて可愛らしかった。
「どうしてそんなにあの人を敵視するの？ただ私に声を掛けてきただけだと思うんだけど…」
「お前はあいつの何見てたんだよ」
「え、なに？」
私のその言葉に頭を抱えて溜息をつく快斗。
「あの後のあいつの視線はお前の顔と身体に行ってた、そういう目的に決まってんだろ」
珍しく感情を表して舌打ちをする彼を見たら驚いてしまって、目を丸くして彼を見詰めた。
「……こういう事起きねぇように虫除けで来たってのに、既に捕まりやがって……」
何やら聞き取れなかったけどぼそりと聞こえたその声に聞き返すと、
「何でもねぇよ。まずお前は俺から離れんな」
「…え、えぇ……でも青子さんは？…あの様子だとただの友人ってことも無いんでしょう…？」
彼女を思うと何だかぞわぞわとする名前の知らない感情が芽生えてくる。感じていて良い気はしない、
そんな事聞いて、何になるでもないのに…
ただ、否定して欲しいの。
お前の傍にいると、そう言って欲しいの…
貴方が関わると私、どんどん嫌な女になって行くみたいよ……
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シアん。 - 軽く23回咳き込んだに見えてしまった (8月19日 8時) (
レス) @page8 id: 2170ff9ae1 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - この小説私得だ…めっちゃ好きー。言葉に表せないくらい好きです！これからもがんばってください！ (2019年11月3日 22時) (レス) id: 1eb05cfcac (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - チイナさん» 私の拙い文章にそこまで言ってくださって本当にありがとうございます…！チイナさんのお言葉に感動して涙が出ました…そこまで私の作品を楽しんで下さりありがとうございました！感謝でいっぱいです！ (2019年7月24日 19時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
チイナ(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも更新されるのを楽しみにしていました。更新されて、すべて読み終わったときに、いつも評価を押してしまうんです。何回も何回も押しました。自分でも笑えてきます。とても良い作品でした。改めて、完結おめでとうございます。 (2019年7月20日 20時) (レス) id: f759a37db1 (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - 雨上がりのcrewさん» そう言って頂いて凄く嬉しいです！ありがとうございます！これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年6月16日 13時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘇澳 | 作成日時：2019年4月15日 7時
