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叶わない22 ページ28

『っ……!』

どうしよう、今絶対顔赤い。

それもそう、あのキヨ兄が私の頬に触れているからです!


冷たいような暖かいような、細くて綺麗な指が私の頬を這っていると思うと、恥ずかしいやら嬉しいやらで沸騰しそう。


キヨ 「ん、てれてんの?」

酔っているからか舌足らずなそんな声にまた一層私の心臓が跳ねる。
あぁもう駄目だ、早く寝かせなきゃ、と思った瞬間少し寂しそうに顔を歪めたキヨ兄。


キヨ 「…Aが、離れてくみてぇ」


『…ん?』


キヨ 「こんな何だったらフジとか、うっしーたちにあわせなきゃ、良かった…」

キヨ兄……それって、


『…そんな訳、無いじゃん』

馬鹿だなぁ、私の気持ち知らないくせに

キヨ 「…そうか、」


『ん、そうだよ。……私は昔からキヨ兄だけなんだから』

小声でそっと呟く。
言葉にしたくてもできない、その言葉。


キヨ 「…俺も、妹はお前だけ。かわいがるのもからかうのも」


『…えっ』

一瞬耳を疑った。
私の後ろの言葉、聞こえてたのっていう驚きもあったけど、キヨ兄のその言葉___


キヨ 「おやすみ」


頭の中がこんがらがってなにも喋れずにいると、頭をぽんぽんと撫でて部屋に戻っていってしまった。


『お、やすみ……』


Aだけ。
かわいがるのもからかうのも、お前だけ。

キヨ兄は、そう言った。

私の当初の目標は、キヨ兄に女として見てもらうこと。
でも今はその言葉にほだされて、妹で良いと思ってしまった。


『あ、……ばか、』


どっちも欲しい。

キヨ兄の妹という立場も

キヨ兄の大切なひとという立場も


どんどん欲深くなっていく、醜い私。

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蘇澳(プロフ) - けろさん» コメントありがとうございます!とても励みになりました!お目に入れて頂き光栄です!これからも更新がんぱりますので宜しくお願いします^^ (2019年8月30日 16時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
けろ(プロフ) - 初めまして!毎回更新を楽しみにしています(^^)居候生活編も楽しみに待ってます笑小説書くのは大変だと思いますが応援しています! (2019年8月30日 12時) (レス) id: 2aaeade905 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘇澳 | 作成日時:2019年8月12日 23時

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