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叶わない2 ページ2

18歳の夏。


母 「A、仏壇のお掃除手伝ってくれる?」


『はぁい』

夏休み真っ只中の中のお盆休み。

今年も来た、このシーズン。


今日から数日は私にとって、とても大切で特別な日。


『ねぇお母さん?…キヨ兄何時頃帰って来る?』


母 「ん?キヨくん?…あぁ、夕方頃って言ってたかしら。というか連絡先交換してるんでしょう?聞いたらいいのに」


お母さんが正論で私の心をぶっ刺していったけど……


確かにそうよ、それに話すチャンスにもなるし。




『…だって、恥ずかしいじゃん…。うざいとか思われるかも…』


母 「キヨくんがそんな事思うわけないでしょ、馬鹿ね」


お母さんが笑いながら半分呆れている。

それもそうだ、この会話は毎年恒例となっているのだから。


『…そうだけど…』


母 「ほら、掃除頑張ったってお母さんが言ってあげるから綺麗にしておいてね」


『そんなので釣られるもんか!』


母 「キヨくん褒めてくれるかもよ?」


『…っ、釣られないもん!』


お母さんが笑いながら台所へ消えて言った瞬間、洗剤と布巾を両手に必死に仏壇掃除をし始めた。

あぁ、現金な私。


________

がチャリと玄関の開く音がし、大きな荷物が擦れる音が私の耳に届く。


「あら、随分早かったわねぇ」


おばあちゃんが出迎える声も聞こえ、私の察知能力が働く。

毎年ここで私には二つの選択肢が出てくる。


1、お帰り!と思い切り部屋から出迎える。

2、待ち侘びていたと知られたら恥ずかしい為、あの人がただいまを言ってくるのを待つ。


1を選べば、元気で可愛いなと思ってくれるのでは?でもすぐに出ていってしまえばはしたないと思われてしまうのでは?
2を選べば、大人っぽいなと思ってくれるのでは?でも出迎えなくちゃ可愛げがないと思われてしまうのでは?


ああでもないこうでもないと考えているうちにあの人はすぐに何処か友達の所へ行ってしまう。


はぁ、今日の為に買ったようなワンピースも、不器用な私にしては綺麗に塗れた青いマニキュアも必要無くなるな…


こうしてため息をついて悶々と一人で考え事をして、出迎えるタイミングを完全に失った私の元へお母さんが現れた。


母 「A、親戚の皆さん集まってらしたから手伝って頂戴」


はあ、手伝いか…

そう思いながら部屋を出る。


瞬間


「よ、A元気にしてたか?大きくなったなぁ」


キヨ兄。
遠縁の親戚。

私の好きな人。がそこに居た。

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蘇澳(プロフ) - けろさん» コメントありがとうございます!とても励みになりました!お目に入れて頂き光栄です!これからも更新がんぱりますので宜しくお願いします^^ (8月30日 16時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
けろ(プロフ) - 初めまして!毎回更新を楽しみにしています(^^)居候生活編も楽しみに待ってます笑小説書くのは大変だと思いますが応援しています! (8月30日 12時) (レス) id: 2aaeade905 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘇澳 | 作成日時:2019年8月12日 23時

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