四十七話 ページ47
篤正side
五条悟との会話から数日後。我々は禪院家からの招待を受け、正装の着物姿に刀を携えて屋敷を訪れた。かなりの軽装を装ってはいるが実際は万全な完全装備で、警戒は一ミリたりとも怠らない。
門を潜り、階段を登る。
待ち構えていたであろう術師たちを無視し、屋敷に上がって奥へと進む。刀は八鞘の他に各々小太刀ともう一振り太刀を装備して、もしもに備えている。
不安が拭えないのは事実だし、相手はあの直毘人だ。五条悟以外では最速の術師と謳われる男…いくら鍛え上げられた我らとはいえど、そんな男相手にどこまでやれるかわからない。
不安な俺を見かねたのか、彼はそっと言葉をかけてくれた。
『いいか。もし、奴が話の最中に立ち向かってきたら迷わず周りの年寄りどもを相手にしろ。ジジイの速さに追いつけるのは俺だけだろうしな』
「…申し訳ありません。どうしても不安で」
『そらそうさ。仕方がねぇよ』
「まぁ警戒すべきは直毘人よりも直哉だろうな」
直毘人の術式を継いだ男、いずれ最速の名を我が物にするであろう可能性を秘めた男。
そう、あの男を俺たちは警戒すべきなのだ。
気がつけば目的の部屋の前である。口元を隠す布を付けているが、何せ見知った人間の集まりの中心に立つのだ。緊張しないわけがない。
だが、我々にはこの方がおられる。心配はいらない。
『直哉も俺がやろう。安心して、雑魚を相手にして見せろ』
「「 はっ 」」
襖が開かれ、畳と古い絹の香りが漂う。
背筋をより張り付かせて視線を鋭くさせる。堂々としていろ、云須さまはそうおっしゃられた。であらばそうあろうではないか。
この場の誰よりも我々は強いと、そう信じれば怖くなどない。
「…あれが」
「まさかとは思ったがそっくりじゃないか…」
「背後のあの者たちは…」
ざわめく周囲を黙らせるように、何ら物おじせず声を張る。
『てめぇの要望通り来てやったぞ。直毘人』
「死んだわけではなかったということか。云須」
『見せかけて、テメェらも信じてただろう。んで?五条のお坊ちゃんの首を取ったって話を聞いて、テメェで追い出した出来損ないを呼び戻して何だってんだ』
当主にでもしてやろうって腹か?えぇ?
すぐさまその場が凍りついた。
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時