三十話 ページ30
五条side
ふと、歌姫の視線が僕に向く。
どうやら先程の一言を聞いていたらしい、続きを言ってみろとのことだ。
「この前、十種影法術を持った子を引き取ったって言ったでしょ。禪院甚爾の息子の」
「聞いたわ」
「恵って言うんだけど、実はさ。最近まで多分だけど…云須に保護されてたっぽいんだよね」
「え!?」
僕は歌姫にことの経緯を話し、受け取った名簿の人間がその屋敷にいたのだと言うことを伝えた。
「でも死んだって」
「生きてるんだよ。誰かが関与して、情報の抹消と自身の殺害偽装を手伝ったんだ。で、史恵さんの話を聞いて納得した」
「何に」
「禪院直毘人があっさりと取引に納得したこと。僕はどうやら云須の保険にされたらしい」
「…自分が恵を守る。もしも何かあったら、あんたがした契約で守れってこと?」
「そーゆーこと。癪に触る連中だなぁと思ったよ全く。ほんと、兄妹揃ってそっくりだ」
脩蛇と名乗る云須にとって僕は、実の兄を殺した仇であり、恵にとっては良い教師で最後の砦ということになる。いま姿を消している理由はおそらく津見紀が関与している、そう見てまず間違いない。
彼女はいま、津見紀の呪いの祓い方を探している。
何かしら危険な方法も試すだろう。
家を開けることに際して、使用人たちでは守れないと判断したらしい。
だから僕に仕方なく恵を託した。
きっと恵が呪術師になるとでも言ったんじゃないかな。で、自分は体術に関しては教えられるけど、術式に関してはすっからかんなもんで、その類に関しては僕に任せるって腹だろう。
腹が煮える思いでの決断だったはずだ。
いま直ぐにでも僕から恵を引き離して、この首を取りたいはず。それぐらいには彼女の思いは強い。
「ダメ元で恵に居場所聞いてみるかな」
「屋敷には入れないの?」
「無理!多分前回の訪問で髪の毛やらなんやら取られたと思う。あの人さ、明神門と八鞘を使用人に一人一人持たせてんだよ?僕だって首取られかけたっての」
「はぁぁぁ!?」
その日、歌姫の悲鳴が京都校に響き渡ったとさ。
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります!! (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます!できるだけ面白く書けるように頑張ります!! (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…!更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野麻陽 | 作成日時:2021年2月17日 22時