十五話 ページ15
五条side
「は？わからない？そんなわけないでしょ」
「申し訳ございません。あらゆる手を使って調べ上げましたが、全く情報が出てこないのです」
あの後、僕は手も足も出なかったあの男に関することを、家の人間に洗いざらい調べ上げさせた。
しかし結果はゼロ。
残念なことに何故か、何一つとして情報がないのだそうで。僕は奴から受けた侮辱の言葉による苛立ちも相まって、最終的にはものに当たってしまう。
おかしい。
いったいどういうことなのか。
それに恵が言っていた言葉も気にかかる。
「…父さん」
「血縁者？いいや、そんなわけない。じゃなきゃ流石にあそこまで懐かないだろ」
だったらなんだというのか。
もし仮にそうだとして、彼は誰の息子またはどのあたりの立場なのか、それくらいはわかるだろう。
だがわからなかった。
うちの人間を使っても、わからなかったのだ。
調べさせて出てきた情報はほんのわずか…と言うよりも、実際には連中が使っていた呪具のことだけ。
奴らが使っていたのは計八本からなる��封印されていた��はずの代物。ある種の美品にすらなり得るもの。
不思議なのは封印を解かれて持ち出されていた、その事実が報告されていなかったこと。
他にも奇妙な点は多々ある。
第一にあの男だ。
気配もなく、呪力も見えず、挙句にはあの異常な身体能力と呪霊を使役している姿。
何から何まであの男が脳裏にチラつく。
「八鞘なんて代物いったいどうやって手に入れたんだ？それにあの黒い影、あれは明らかに呪霊だ。おそらく仮想怨霊あたりの」
仕方がないと僕は書類を机の上に放り出す。これ以上のことは無意味かもしれない。
それに、恵もそこまで嫌がる様子もなかった。僕から逃げ出したのは予想外だったけど。
怖がらせたよなぁ…めんどくさいことしたわ。
また一つと思いため息をつく。
と、そこへまた一つと大きな報告が舞い込んできた。使用人の報告に思わず大声をあげて、急ぎ高専へと向かった。
特級呪物が紛失したなんて、そんな馬鹿なことあり得るか。
.
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ツバメ - なんか甚爾が居ないのを前提にしてるからそこは凄くさびしいけど、彼女の意思と決意が強すぎてつい本人みたいに引き込まれてしまいそうです (2021年7月27日 23時) (
レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - クレイさん» 応援ありがとうございます、期待に応えられるよう精一杯やります！！ (2021年3月11日 20時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
クレイ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月11日 20時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
黒野麻陽(プロフ) - てる。さん» コメントありがとうございます！できるだけ面白く書けるように頑張ります！！ (2021年3月5日 15時) (レス) id: 53793cef18 (このIDを非表示/違反報告)
てる。 - 話の中に凄い引き込まれました。一言ではいい表せませんが、言葉が見つからない…！更新、楽しみに待ってます。 (2021年3月5日 14時) (レス) id: 5ec2a8a618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒野麻陽 | 作成日時：2021年2月17日 22時
