異世界転生のお決まりの展開で、なぜか審神者になっちゃった話。 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:4,431 hit

親友3 ページ3

千早「いや、寝るときとかお風呂入るときは外してね。バイキン繁殖しちゃうし、あぶないから。」

水瀬ひなこ「あ、はい。」

急に真顔になる千早におもわず私も真顔になってしまった。

少しの間、沈黙がただよう。
けれどすぐに、二人の吹き出す音で沈黙が破れた。
　
水瀬ひなこ「もーっ。千早ったら、こんなときまでお母さんなんだからーっ。」
千早「主人公こそ、３６５日２４時間つけるとか、もう、笑っちゃうよ〜っ。」

さっきまでのしんみりした空気はどこかに吹き飛んで、いつもの空気が戻る。
　
ひとしきり笑ったあと、千早のスマホがなる。
さっと千早がでた。どうやら千早のお母さんのようだ。
うんうん、わかってる。じゃあ。
と簡単にきると、千早は笑顔でいった。

千早「じゃあ、もう行かなきゃ。急いで家戻らないと、飛行機にまにあわなくなっちゃう。」

水瀬ひなこ「あ、そうだよね。もう行かなきゃだよね…」
またくらい気持ちになりかける私に千早は肩を叩いて言った。

千早「私、絶対水瀬ひなこに会いにまた日本に戻るから。どんなに忙しくても、絶対戻るからさ。
その時は一緒にお酒でものみにいこうよ。」

お酒って。なんか千早、おじさんみたい。
ほがらかな笑顔につられて、私も笑ってしまった。

水瀬ひなこ「…うん。絶対ね。絶対忘れないでね。私、ずっと楽しみにしてるから。ほんと楽しみにしてるから。だから……そのときは千早の武勇伝聞かせてよね。」
　
任せて!そう言って笑うとと、千早は振り返る。

「じゃあ、またね!」

“またね”その言葉は私に温かいやすらぎを与えた。
今生の別れなんかじゃない。千早とは必ずまた会える。
　
そうおもった。

　

水瀬ひなこ「うっ…。」

急に向かい風が強く吹いて、目をぎゅっと閉じた。
春一番というやつなのか？スカートが音をバタバタとはげしくたてた。髪は逆立ち、私は必死でスカートを抑える。
手持ちのかばんと卒業証書が飛んでしまった。

やばいやばい。そうおもうも、なんだこれ、全然目が開けられない。風が全然やまず、心なしかどんどん強くなってく気がする。
花びらなのだろうか、ピタピタとさっきから顔にあたるのは。それにしたってさっきから当たる量が半端じゃなくて、もう鼻の中にまで少し入ってしまった。