人一年生7 ページ18
(なんか、割とどうにかなる気がする。)
こんのすけは最初、おどろおどろしい雰囲気をかもし出してたけど、私みたいなのが選ばれた位だし…
加州「ねえ、主。」
そんなこと考えてると、加州が私の方をむいで話しかけてきた。
水瀬ひなこ「ん？」
加州「あのさ、俺の体、主となんか違わない?」
❲主人公)「えっ。」
加州は神妙な面持ちで私の体をみて言った。
あんまりじーっとみられるから、私はちょっと恥ずかしくなって、お湯に首まで浸かる。
水瀬ひなこ「そ、それは、私が女で、加州が男だからだよ。」
加州「なんで男と女で体が違うの?」
水瀬ひなこ「そ、れはですね…」
(困ったな…)
私はつい視線をそらす。
人になり立てで好奇心旺盛な刀は大変だ。
まさか、子づくりのためだよ。とか口が裂けても言えない。
いい感じに納得させれる理由を弱い頭で必死に考える。
加州「あのさ。」
すると加州は遠慮がちに目を伏せて言った。
加州「ちょっと触ってみてもいい?」
水瀬ひなこ「えっ。」
困った。
どうしよう。何て返せばいいんだろう?
多分、見たところ加州はただの好奇心で言ってるだけのように見える。
(でもさすがに好きな人でない限り、体をさわられるのはいやだなあ…。)
普通に恥ずかしすぎる…。
そう思いつつも、悪意がなく、純粋な好奇心で言う加州の頼みは断りづらい。
このとき私は、断るきまずさより、さわらせる気まずさのほうがまだマシかもしれないと思った。
初日でギクシャクするのは嫌だ。
水瀬ひなこ「い、いいよ。別に触るくらい。」
私は見栄を張って、加州を全く意識してないみたいなフリを装った。
内心は心臓がバクバクで、顔から火が吹き出しそうだ。
加州「…………。」
と思いきや、なぜか加州は黙り込む。
水瀬ひなこ「…？」
加州「…ごめん、やっぱりいいや。」
加州はそういうと、ザバッと勢いよくお風呂からあがる。
加州「俺、もうのぼせそうだから、先あがるね。主はゆっくりしてて。」
そういって、脱衣所に行ってしまった。
水瀬ひなこ「…なんで？」
せっかく勇気を振り絞ったのに…。
なんで急に心変わりしたんだろ?
(まさか、私が意識してるのにきづいちゃったのかな…)
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作者名：PANANA | 作成日時：2020年12月19日 8時
