親友2 ページ2
ふわふわの布にくるまれて、コロンと手のひらに転がったのは、オレンジ色のお花を模した、ピアスだった。
日差しに反射して、金属部がキラキラと輝く。
わーっと思わず見入ってしまう私をみて、千早はにっこりと笑って言った。
千早「私ね、水瀬ひなこと高校を一緒に過ごせて、すごく楽しかったの。昔から細かいことでも気になって、変に完璧主義なせいで、人と長い期間仲良くい続けることができなかった。いつも一年もたたずに、うざいって言われて喧嘩しちゃうの。…だけど、水瀬ひなこはこんな私といつも一緒にいてくれたよね。私がついおせっかい焼いちゃった時も、さすが！とかいって笑ってくれたし、私の突拍子もない夢も否定せずに応援してくれた。私、本当にうれしくて…。」
千早の目がすこし潤む。それを隠すように、千早は私の手元のピアスを片方とって、左の耳につけた。
千早「だから、ね。これ、渡そうと思ったの。この先水瀬ひなこに中々あえなくなって、その間にお互い辛いことがあっても、このピアスみたら少しでも元気が出ますようにって。離れてても心は一緒だからって、思えるようにって…。」
震えた声でそこまで言い切ると、千早の目からポロポロと涙が溢れる。
気づけば、私まで同じように泣いてしまっていた。
水瀬ひなこ「千早…。」
さっきまでモヤモヤと暗い気持ちでいっぱいだった心が、水に流されるようにすーっと消えていく。
涙を流れるたび、澄み渡っていくようだった。
私は手元のもう片方のピアスを手にとり、右耳につける。
そして涙でぐしゃぐしゃになりながら、同じくぐしゃぐしゃでひどい顔になってる千早に無理矢理笑顔をつくった。
水瀬ひなこ「ありがとうっていいたいのは私のほう。千早に私、いつも助けられてばかりだった。…この、ピアス、ずっとつけるよ。もう二度と外さない。365日24時間つけるよ!」
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作者名：PANANA | 作成日時：2020年12月19日 8時
