怪しげな瞳 ページ30
あれから私は一通り泣き終え、事のあらすじを全てキルアに話した
キルアがかなり怒ってくれていたのが
なんだか私にとっては嬉しかった
そしてキルアの案内の元、やっとゾルディック家から脱出ができ
私はキルアに連れられ執事達の屋敷へと来ていた
屋敷へと着くと、タイミングを見計らったかのように
中からサングラスをかけた厳つい執事がでてきた
「キルア様。お待ちしておりました」
執事はチラッと私を見たあと
「そちらの方は?」
と聞いた
キルアは特に焦る様子もなく言った
「ちょっと訳ありでね。それよりゴトー、今ゴンは何処にいる? お前知ってるんだろ?」
「ゴン様とお連れのお2人は、カナリアの案内で此方へ向かっておられます」
「本当か?」
キルアはこれからゴンに会えるという事実に目を輝かせて私の方を見た
私も3人に会えるのが嬉しくてキルアと頷きあった
「すぐにいらっしゃいますので、お部屋でお待ち下さい」
「あぁ、行こうぜ」
「うん」
キルアと一緒に中に入るとそこは床一面中赤い絨毯で覆われており、中には沢山の執事が私達を見ていた
そんな事を気にする様子もなくキルアはゴトーに話しかけた
「ゴトー」
「はい」
「ゴンが来たらすぐに呼べよ」
「えぇ、承知しておりますとも」
ゴトーが軽く頭を下げたのを見もせずにキルアはどんどん先に進んで行った
そして後ろを振り向きもせず
「早く来ねぇと置いてくぞ」
と言われ
「ま、待ってよー!」
私は慌てて走り出した
執事達の怪しげな瞳に気付かずに……
部屋に入るとキルアは躊躇いもなく高そうなソファにどかっと座った
私が隣にそっと座るとキルアは
「遠慮なんかしなくていいぜ」
と言ってキルアはソファに寝っ転がったまま
どこから出したのかチョコロボ君を食べ始めた
私はどうすればいいのかわからず苦笑いして見ていると
キルアは何を思ったのか私に箱の口を向け
「食べる?」
と聞いてきた
遠慮なく2、3粒食べた
少しの沈黙が流れた
その沈黙を破るようにキルアがそっと口を開いた
「なんか、ゴメンな」
私は驚いてキルアを見る
キルアはそっぽを向いていた
「ゴメンって、何が?」
私が聞くと、キルアは小さく溜息を吐いた
「なんかさ、俺お前らに迷惑かけてばっかだなって思って」
「そんな事ないよ」
自然と私の口から言葉が出た
キルアは驚いて私を見る
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名無し - もっと作ってほしいです!続編見たい… (2023年2月20日 20時) (レス) @page47 id: d19581cf0a (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Skin | 作成日時:2019年2月24日 20時