絡み合う話 ページ25
「キルアの対戦は、自称ギタラクルとの対戦中と、その後において、明らかに不自然であった。対戦時に何らかの暗示をかけられ、あの行為に至ったのだと考えられる」
クラピカが立ち上がり意見を言った
「通常なら、いかに強い催眠術でも殺人を強いることは不可能だ。しかし、殺し屋一家に育ったキルアにとって、殺人は日常的な事で、倫理的抑制力が無くなったとしても、何ら不思議ではない」
更にレオリオも立ち上がり自論を唱える
「問題なのは、俺とボドロの対戦中に事が起きたってことだ。状況を見れば、キルアが俺の合格を助けたようにも見える。ならば、不合格なのはキルアの方じゃなくて俺の方だろ」
レオリオは親指で自分を指した
「いずれにせよ、キルアは当時、自らの意思で行動できない状態にあった。よって、彼の失格は妥当ではない」
ネテロ会長は一通り聞いたあと
「全て憶測に過ぎんのう……。証拠は何も無い」
と言って教卓の前に立つと
「明らかに、殺人を支持するような発言があった訳では無い。いや、それよりもまず、催眠をかけたという根拠が怪しい」
確かにそれは否定できない
だってそれは紛れもない事実なのだから
「レオリオとボドロの対戦直後に起きたというのは問題ないと思っておる。2人の総合的な能力はあの時点ではほぼ互角」
更にネテロ会長は続ける
「経験の差でボドロを上位に置いたが、格闘能力だけを見ると寧ろレオリオの方が有利とワシは見ておった。あえてキルアが手助けをするような場面ではなかったであろう」
私は、一応意義を申し立てたものの
特にこれといった理由もない
要はただの我儘である
だから下手に話すと余計に事態をややこしくしかねない
私はただじっと黙っていることしか出来なかった
「不自然な点ならもう一つあるぜ」
今度はポックルが話し出した
ポックルはクラピカに視線を向ける
「ヒソカと戦ってた時のアンタの様子だ」
クラピカは驚いてポックルを見返す
「あの時、一体何を言われたんだ?」
確かに、確かにそれはとても気になる事ではあるが
「お互いに余力がある状態で、アンタに何かを告げたヒソカの方が負けを宣言した……変だろ?」
話が大幅にズレてきた
ポックルからしてみれば、キルアの合否なんて興味無いのだろう
どうやら私が口出しをせずとも
事態はどんどんややこしくなっていくようだ
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名無し - もっと作ってほしいです!続編見たい… (2023年2月20日 20時) (レス) @page47 id: d19581cf0a (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Skin | 作成日時:2019年2月24日 20時