やり返し ページ14
ゴンは腕を抑えながら必死に耐えていた
時々嗚咽が口から零れ落ちていた
「マジで折りやがった……」
誰かがそう呟いた
私はもうまともに見れずに手を痛いほどに握りしめて下を向いていた
「さぁ、これで左腕は使い物にならねぇ」
私が折られたわけではないのに
ゴンの痛みが伝わるように
左腕が痛み出した
「クラピカ……止めるなよ……アイツがこれ以上ゴンに何かしやがったら……ゴンには悪いが、抑えきれねぇ……！」
「止める？ 私がか？ 大丈夫だ、恐らくそれはない」
レオリオとクラピカは今にもハンゾーに殴り掛かりそうなほど激怒していた
仲間の腕が折られたのだ
仲間でなくとも、この試合を見ているとそうしたくなってくる
それ程までに一方的な試合だった
「痛みでそれどころじゃないだろうが、聞きな。俺は、忍びと呼ばれる隠密集団の末裔だ」
ハンゾーはゆっくりと片手を床につき逆立ちをした
「忍法と呼ばれる特殊な技術を身につける集団で、生まれた時から様々な厳しい訓練を課せられてきた」
忍法……前に小説でそれっぽいのを読んだ気がする
確かスパイのようなもので
時には自然になりすまし、時には罠を張りめぐらせターゲットを確実に始末する
そんなような者だった気がする
「以来18年、休むことなく身体を鍛え続け、技を磨いてきた。お前の歳には人も殺している」
ハンゾーはそう言いながら床についている指を1本ずつ減らしていく
「事格闘に関して、今のお前が俺に勝つ術はねぇ」
体重を支えている指は次第に減っていき
ついには人差し指だけとなった
「悪い事は言わねぇ、素直に負けを認め……」
ハンゾーが最後まで言い切る前に
ゴンがハンゾーの顔に思いっきり蹴りを入れた
ハンゾーはその衝撃で床に倒れ込んだ
「いってぇ……」
ゴンもそのまま床に倒れ込んだが
「痛みと長いお喋りで、頭が少しは回復してきたぞ！」
今度はすぐに立ち上がった
さっきと比べると驚くほどの変わりようだ
「よっしゃあああ！ ゴン行けぇ！ 蹴って蹴って蹴りまくれぇえええ！」
レオリオは興奮がちに野次を飛ばしまくる
「18って言ったら、俺と6つしか違わないじゃん。それに、この対決はどっちが強いかじゃない、最後に参ったって言ったか言わないかだもんね」
ゴンはまだ痛む腕を抑えながらハンゾーに言い返した
ハンゾーは勢いよく立ち上がった
その顔を見ると
鼻血が大量に出ていて頬が少し腫れていて
見るからに痛そうであった
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名無し - もっと作ってほしいです！続編見たい… (2023年2月20日 20時) (
レス) @page47 id: d19581cf0a (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Skin | 作成日時：2019年2月24日 20時
