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上昇気流 ページ44

「ちょっ、ちょっと待て、まさか……」

嫌な予感とは当たりやすいもので

「そのまさかよ」

メンチは崖から勢いよく落ちて

クモワシの卵が引っかかっている蜘蛛の巣のようなものにつかまった

「うわぁあああ」

会場からは受験者達の悲鳴が聞こえる

メンチはそれを気にもとめず

下をじっと見ていた

「例え卵がとれたとしても、どうやって戻ってくる気だ……?」

レオリオがボソッと呟いた

それもそうだ

こんな崖を大きな卵一つ抱えて登れるものじゃない

すると次の瞬間

辺りに微かな風が吹いた

そしてその直後にメンチは手を離し

そのままクモワシの卵に向かって落ちていった

もう下には掴めるほど近くに糸はない

このままではクモワシの卵をとったあとは下に落ちてしまうだけだった

この高さでは落ちたらただではすまないだろう

メンチは卵を一つ手にとった

そしてそのまま落ちていく

「おい! 飛び降りちまったぜ! 単なる自さつ行為じゃねぇか!」

レオリオが焦りはじめた

私も口を抑えて目を丸く見開いていた

しかしクラピカは至って冷静で

「いや、違う」

と、顔色一つ変えずに答えた

それと同時に下から突風が吹いてきた

風は勢いよく上に向かって吹いており

その風にメンチは上に押し上げられて

勢いよく上に上がってきた

「うわぁぁ」

「面白えー」

ゴンとキルアは興味津々な目でそれを見ていた

「この谷底から吹き上がる上昇気流は、卵から孵った雛が巣から飛び上がれるようになっているのじゃ」

ネテロ会長が説明した

まさに自然を利用した動物の知恵といったかんじだ

メンチは卵を持ったまま綺麗に着地し

「はい。これでゆで卵を作るのよ」

と言いながら

先程とってきたクモワシの卵を皆に見せた

「じょ、冗談だろ……こんなもん、まともな神経で飛び降りれるもんじゃねぇよ」

少し前まではメンチを馬鹿にしていたトードーは

すっかり怯えていた

そんな事はお構い無しにゴンは

「こうゆうの待ってたんだ」

と言って真っ先に崖から飛び下りた

「とりゃああああ」

それにキルアとクラピカとレオリオが続く

勿論私も続いて飛んだ

一応私も元山っ子

その中でも木登りは大の得意分野だった

私達をきっかけに

「よし! 俺も!」

次々と受験者たちも続いていった

「待って! 最後まで説明を聞いて!」

メンチが止めようとするも

1度ついた火は中々消えず

結構な数の受験者達が飛び下りた

静かな谷底→←新たな試験



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コップ娘(プロフ) - Skinさん» いえいえ。そんな大層なことじゃないですよ〜。これからも、頑張ってくださいね!応援してます! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
Skin(プロフ) - ありがとうございます!コップ娘さんにそう言って頂けると自身ついちゃいます( ̄^ ̄) (2018年1月25日 22時) (レス) id: 6e41698a9d (このIDを非表示/違反報告)
コップ娘(プロフ) - 設定も物語も面白くて……ごめんなさい文才ないんでうまく言えませんが、とても面白いです! (2018年1月22日 23時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Skin | 作成日時:2018年1月14日 16時

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