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お見合い44 ページ44

A「流石にこれは……多すぎる」





私はぐたりと布団に寝転がった。



任務が終われば、すぐにまた新たな任務。

それが四回ほど続き、私の疲労は目に見えて表れていた。



なにがきついって、移動距離が長いこと。


北に行ったら、南に行って、西に行ったら、東に行く。

……もう少し体力つけようかな。





伊勢時「お疲れだな、A」




A「うん……明日任務が無いのが救いだよ」





明日は任務が無く、

次の任務場所が蝶屋敷とそんなに遠くない。



できれば、見舞いに行きたいけど……。





A「破談されたらどうしよう……」




伊勢時「何の話だ?」





首を傾げる伊勢時に私は「なんでもない」と返す。




善逸さんにお断りされたら、

もうお見合いなんてやめよう……。



だって、絶対善逸さんのこと忘れられないもん。





伊勢時「俺は報告に行ってくる。

お前はきちんと休んでろよ。鬼狩り行くなよ」




A「うん、わかった……」





伊勢時はそう言うと、飛んでいった。


私は布団の上で寝返りを打つ。



すると、だんだんと瞼が重くなってきた。





A「羽織……直さなきゃ」





昨夜の戦いで、

木の枝に引っかかって裾がほつれてしまった。



私の大切な羽織。


この命よりも大切な羽織だ。





『Aが大きくなったらあげるさ。

まあ、その時はもう好きじゃないかもしれないけどな』





懐かしい声が聞こえた気がした。



大きくなっても、私はあの頃と変わらず、この羽織が大好きだよ。




下にいくにしたがって、徐々に濃くなっていく青。


水に雫が落ちたかのような鮫小紋(さめこもん)の模様。



体格のせいで、羽織が少し大きいけれど。


それでも、私はこれを着続ける。





A「ずっと……ずっと、着るから。

ね、お兄ちゃん……」





私はそう呟くと、瞼を閉じた。

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渡邉 なちゅ。(プロフ) - 花帆さん» ありがとうございます!その件に関しては、二巻のほうで続きが若干書かれています。そうですね、自分たちを重ねて、この二人には生きて欲しいと心の中で思っていそうですね! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - バナナ さん» ありがとうございます!毎日できるだけ更新しますので、楽しんで頂けると嬉しいです! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白いです!善逸くんと他の子がデートしてたぽいのが、後にどうなるのか…気になります!! 夢主さんとお兄さん仲良すぎて辛い…(つд;*)炭治郎と禰豆子と重なったりしそう…(泣) 続編も楽しみです(o>ω<o) (2019年9月7日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ - すごく面白い!更新楽しみです! (2019年9月6日 22時) (レス) id: 4fbc396aff (このIDを非表示/違反報告)
渡邉 なちゅ。(プロフ) - こんなんでどうですか。サブさん» ストレートな告白ありがとうございます!応援ありがとうございます!とっても嬉しいです!投票をして頂き感謝感激雨あられでございます! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 1c6c46020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年8月30日 7時

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