お見合い相手が泣き虫な金髪君だった

お見合い２９ ページ29

不死川「ッ！どういうつもりだ、雨仁！！」




A「……それはこちらの台詞だ。

喚くな、騒ぐな、みすぼらしい」





不死川さんは間一髪で私の一撃を避けた。


だが、その首は薄く切れて血が垂れている。

……もう少しだったな、惜しい。





甘露寺「た、隊員同士の殺し合いは御法度ですよ！」




A「ならば、今すぐ鬼殺隊を辞める。

そうすれば、問題ないでしょう？」




甘露寺「……Aちゃん」





甘露寺さんを睨みながら私はそう言った。



嫌ならその刀抜いて止めればいい。

それすらもできぬ半端者が口を挟むな。




胡蝶「Aさん、落ち着いて下さい。


伊黒さんは強く抑えすぎです。

少し弛めて下さい」




伊黒「動こうとするから押さえているだけだが？」




胡蝶「……竈君、肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと、血管が破裂しますよ」




宇隨「血管が破裂！！

いいな、響きが派手で！よし行け、破裂しろ！！」




悲鳴嶼「可哀想に……なんと弱く哀れな子供。

南無阿弥陀仏……」





……頭痛がしてくる。


なんなんだ、こいつら。




血管が破裂する？


わかっているなら、どうして伊黒さんの腕をどかそうとしない。


響きが派手？ふざけんな。


弱くて哀れ？それはお前の頭だろ。



私はぐるりと柱の姿を見た。


どれも汚い真っ黒な心。



……嗚呼、なんて気持ちが悪い。


クソみたいな連中が生きていること自体気に食わない。





A「……一つ、教えてあげますね。


私が柱にならない理由、

それは……お前らの心が汚ぇからだよゴミ屑が」





私はそう言うと、不死川さんの刀を伊黒さんに向けて投げつけた。




＿＿＿＿＿バキリッ




それと同時に木箱が壊れる音がする。


不死川さんが壊したらしい。



開けられた木箱から、禰豆子ちゃんが現れた。





炭治郎「禰豆子！」





炭治郎君がそう叫ぶ。


そして、禰豆子ちゃんはそんな炭治郎君を見た。




……この二人だけだ。


とっても綺麗な白い心を持っているのは。




そして、禰豆子ちゃんは不死川さんからプイと顔を背けたのだった。

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