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かわいい40 ページ40

私は、幼い頃から食事をしたことが無い。

自分の口で咀嚼をしたことが無い。



でも、自然乃家の第三児にとって、それは当たり前のことだった。


何故なら、第三児は、水と他生物の生命力だけで生きていけるから。



だから、私の顎の力は普通の人より弱い。

使わない故に顎の力は廃れていった。


でも、困ることは無い。



……だが、鬼になってそれが変わった。


困ることばかりで、不便になってしまった。



鬼は、人の肉を喰らう。


私にとって、初めての食事は……兄だった。



喉を通る固形物の感触、

独特の臭いと舌触り、


それらに私は耐えられなかった。




だから、私は人の皮膚に口をつけることができない。



血を飲む時も、湯のみにわざわざ溜めてもらう。


そうでなければ、どれだけ飢餓状態であっても食指は動かなかった。





そして、もう一つ厄介なものがある。



私が飲める血は、私が好きな人だけ。

私が好意を持っている相手の血だけしか飲めない。




だから、不死川の血を見ても私は口をつけなかったのだ。


いや、つけれなかったのだ。





A「私は、炭治郎君たちのこと大好きだよ。

だから、飲めると思う。



でもね、私は嫌だよ。

大好きな人を傷つけてまで生きたくないよ……っ!」





血を飲めば飲むほど、

私の中で相手への罪悪感が積もっていく。



京子ちゃんたちの里にいた時間が長く、

また炭治郎君たちが優しかったから私は忘れていたんだ。



……鬼が忌み嫌われているということを。


あの柱の顔を見て、ようやく思い出した。





A「私には、もう炭治郎君たちしかいないの。


みんながいなくなったら……もうどう生きていいかわからない。



だから、嫌われたくない。

鬼でも一緒にいたい。


……だから、私は血を飲まないで生きていきたい」





私は俯きながらそう言った。



だが、その時。




_____ペシッ





伊之助「ソンナンデ、俺ラガ嫌イニナルワケナイダロ」





伊之助君が私の頭を叩いた。


全く、痛くは無かった。

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百鬼 - 京子ちゃんが付いていくかと思ったぁァアアア!!更新頑張ってください (2023年1月18日 15時) (レス) @page42 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - とても面白かったです!更新楽しみに待ってます!更新お願いします!!! (2020年4月23日 16時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 面白いです!これからも頑張ってくださいね! (2020年4月6日 18時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - なんと…なんと…。 からの ドブみたいな臭いだ。は草 (2020年4月6日 18時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
シホニャン - 面白いです。この続き気になります (2019年11月20日 18時) (レス) id: 39a09b6cce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:渡邉 なちゅ。 | 作成日時:2019年8月21日 22時

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