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動揺 ページ10
「Aちゃんのあぁいう姿を見てると、とてもあの子がからくりだとは思えねーな。ちょっと強いだけの、何処にでも居る普通の女の子だ」
「ちょっと強いだけの普通の女は数十人の攘夷浪士共相手に無傷で勝てたりしやせんぜ」
「いやいや、案外探せば居るかもしれんぞ?特に江戸は女性でも侍の魂を持った人が多いからな。Aちゃんみたいな女の子だってきっと居るさ!」
…いや、流石に腕から刀や銃生やして戦う女は江戸の何処探しても居ねーと思う。
そんな俺の心の声は近藤さんにゃ届かねーんだろうな、きっと。
「総悟様、近藤様。お酒は足りていますか?」
「おぉ、Aちゃん!丁度飲み干しちまったところだよ、注いでくれるかい?」
「はい、ただいま」
近藤さんの傍らに置かれてた酒を手に、Aが近藤さんのコップに酒を注ぐ。
その姿が妙に様になっていて、心臓がドキドキと早鐘を打った。
「総悟様?」
「ッ…どーした」
気付けばAの顔が目の前にあって、一瞬ビクリと肩が震えた。
こんな近くまで来てたのにわかんなかったって、動揺し過ぎじゃねーか俺。
つーか何で動揺してんだ、わけわかんねェ。
「お酒を注いでもよろしいでしょうか?」
「あ、あァ…頼まァ」
「はい」
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作者名：影咲 遥 | 作成日時：2019年12月2日 12時
