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無抵抗の理由 ページ6
あの後、Aの破損はすぐ修復された。
あちこち砕けちゃいたが、損傷自体は大したことなかったらしい。
今はすっかり元通りの姿で、俺の部屋で目の前に座ってる。
軽い損傷でホントに良かった。
だが一つ腑に落ちねーことがある。
それは…。
「何で反撃しなかったんでィ。あの程度の連中にやられっぱなしになるよーなタマじゃねーだろてめェ」
Aに暴力振るってた連中には、どいつも怪我らしい怪我は無かった。
つまりAは無抵抗のまま奴らに殴られてたってわけだ。
大勢の攘夷浪士共を相手にしても無傷で勝てるくれェの力を持ってるAが、たかが数人の下っ端隊士共相手に後れを取るとは思えねェ。
何だってこいつは自分が危害を加えられてる状況で反撃せずに居やがったんだ。
「……責任を、取るべきだと思ったからです」
「責任?」
「私は総悟様に拾って頂く前、皆様の仲間を手にかけました。前主、南尾景綱の命であったとはいえ、それは揺るがぬ事実。故に私は、仇として彼らに破壊されても文句は言えない立場なのです」
「…だから、抵抗しなかったってのか」
「はい」
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年12月2日 12時