不快な音の正体 ページ5
聞こえてくるその音は止むことなく何度も何度も俺の耳へと不快な振動を届け続ける。
いったい何の音だ?
不快な音の正体を探るため、音がする方に向かってひたすら歩いていく。
すると次第に、音に混じって人の話し声らしきものも聞こえるようになってきた。
「おいおい、もう少し静かにやれよ。沖田隊長に見つかったらどーすんだ」
「沖田隊長ならさっき部屋でゴロゴロしてたから、今頃昼寝でもしてんだろ。こんだけ部屋から離れてりゃ、バレやしねーよ」
隊士達と思わしき奴らの声と、何故か出てきた俺の名前。
俺にバレたらまずいこと、あいつらいったい何やってんだ。
気配を消しながら声のする方に向かうと、その正体はすぐはっきりした。
「……!!てめーら…いったい何やってやがんだ!!」
俺が怒鳴り散らしたその先には。
裏庭に集った数人の隊士と、そいつらに囲まれて地面に突っ伏してる、あちこち破損したAの姿がそこにあった。
「お、沖田隊長!?」
「何で此処に…!!」
野郎共が驚きの声を上げるが、そいつらを蹴散らしてAの元へ駆け寄った。
「おい、A!」
「…!総悟様…何故此処に?」
全身の至るところにひび入ったり砕けたりしちゃいるが、とりあえずAは無事だったらしい。
こんだけボロボロになってて無事ってのも変な話ではあるが、修復できねー状況にまでは至ってねーことにひとまず安堵する。
「んなこたァどーでもいい。…てめーら、俺のモンに手ェ出すたァ…覚悟はできてんだろーな?」
「「「ヒッ…!?」」」
思った以上に低い声が出た所為か、野郎共の口から引きつった声が漏れる。
腰抜かしてチビってる奴すら居る始末だ、情けねェ。
「俺の
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年12月2日 12時