鈍い女 ページ14
酒に呑まれて酔い潰れた後も、
Aに貰った薬のおかげか二日酔いからは回復したが、だるいモンはだるい。
「あー、だりィ…飲み会明けで見回りとかやってらんねーや」
「少しお休みになりますか?ソナーでの探知範囲を拡大して、何かあれば私が動きますから」
「…いや、平気でィ。また明日から何日か雨続くらしいから、ソナーの範囲絞って燃料温存しとけ」
Aが燃料切れの機能停止した後から、何となく見るようになった天気予報。
それによれば、この後は大気の状態が不安定になるとか何とかで1週間くれェ雨が続くらしい。
前回は確かこき使ってたとはいえ、3日くれェで限界が来てた。
この後降り続く雨を考えるなら、今回もあん時と同じ状況になる可能性は高ェ。
今のうちに燃料温存させとくに越したこたァねーだろう。
「燃料貯蔵機構を強化してありますので、通常の稼働であれば2週間分。交戦モードを使用してもおよそ10日間分程度は燃料を貯蔵しておくことが可能です。以前のような事態にはなりません」
「あァそーかィ、ならバリバリ働きやがれ下僕」
「承知しました」
「……」
気に食わねェ。
折角俺が気ィ遣ってやったっつーのにこいつァんなこと気付きもしねーで下僕根性丸出しにしてやがる。
鈍い女。
心配してやった俺がバカみてェじゃねーか。
だいたいこいつァいつもそうだ。
本来ただの戦闘兵器な筈のこいつが、他人を助けることに腐心するたァ…。
「場違いも良いとこじゃねーか…」
「…?どうかなさいましたか、総悟様」
「いや、何でもねーよ」
66人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年12月2日 12時