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不愉快な感情 ページ11
Aが俺のコップに注いでんのは鬼嫁、俺が一番好きな酒だ。
…こいつ、覚えてたのか。
「あまり飲みすぎないようにしてくださいね。総悟様、あまりお酒はお強くないようですので。それでは、失礼します」
酒を注ぎ終わると、Aはまた別の奴んとこに駆けてった。
…主人である俺を置いて。
「……」
「んなに気になるなら、呼びつけて傍に置いときゃ良いじゃねーか」
「は?…何のことですかィ、土方さん」
今の今まで姿形も見えなかったのに、いきなり話に乱入してきた土方。
手には黄色いモンが詰まった謎のコップが握られてる。
どーせ酒にマヨでもぶっ込んだんだろう、相変わらずクソまずそーな飲み方だ。
「Aが他の奴んとこ行く時、すげー顔してたぞお前。あいつはお前の
「…アンタに言われなくてもわかってまさァ」
コップん中の酒を一気に飲み干して、間髪入れずAの名前を呼ぶ。
俺の
「お呼びでしょうか、総悟様」
「酒」
一言そう告げて、カラになったコップをAに向かって突き出す。
Aは一瞬目を丸くしたが、すぐにクスリと笑って鬼嫁の瓶を手に取った。
「はい、ただいま」
「…不器用な奴」
うるせェ。
ポツリと聞こえた土方の呟きに心ん中で毒づいて、Aが注いだ酒を一気に煽った。
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作者名：影咲 遥 | 作成日時：2019年12月2日 12時
