絡繰家政婦(仮) ページ1
食堂から食材を切る小気味いい音が響いてくる。
今日も俺の
「おぉ、Aちゃん!今日も精が出るな」
「おはようございます、近藤様。間もなく朝食が出来上がりますので、少々お待ち頂いてもよろしいでしょうか」
「あぁ、勿論だとも。こうして作ってもらえるだけでもありがたいんだ。幾らだって待つさ!」
Aが真選組に来てもうじき2ヶ月になるが、Aが真選組の家事を担うようになったのはいつからだったか…。
真っ先にAの存在を受け入れた近藤さんが、
「折角女の子が俺達の仲間になったんだ、手が空いてる時で良いから俺達の飯を作ってくれないか?」
なんて言ったのがきっかけだった気がする。
それ以降、Aは炊事だけでなく掃除洗濯買い出し等々真選組で隊士達が分担してやってたあらゆる家事を代行するようになった。
人間と違って、からくりのAに疲労なんてモンは存在しねェ。
普通ならまず一人じゃ無理な量の家事も、Aはすんなりこなしてる。
そのおかげか、男所帯で魔の巣窟一歩手前だった屯所内は見違えるほど綺麗になった。
その働きぶりに近藤さんが
「正式に
なんて言い出したくれェだ。
まぁそこはA自身が俺の
最初は疑いまくってた土方もAが作ったマヨ料理の数々にすっかり懐柔されたらしく会えばその度に労いの言葉なんかかけてやがる。
手のひらクルーも良いとこじゃねーか、面白くねェ。
いっそマヨ料理に下剤でも盛らせるか。
丸一日厠で苦しみやがれ土方コノヤロー。
「総悟様、近藤様。朝食の準備ができましたので、取りに来て頂くよう皆様に通達をお願いします」
「…おー」
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年12月2日 12時