【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

足音9つ ページ10

私が住んでいるのは、そこそこ年季の入った小さなのアパートの2階。


古いけど家賃は安いしお風呂も厠もついてるし、厨(くりや)部分にそこそこの広さがあるからそこを居間代わりに使えるのは大きい。
幾ら沖田さんでも、流石に寝室は見られたくないし。


「さ、狭いとこですけどどーぞ」

「マジで狭ェな」

「一人暮らしの部屋なんてこんなモンです!!」


護衛してもらっといて待たせるのも悪いので、買った物の中で放っておくと傷んでしまう物だけを先に冷蔵庫にしまって私は早速料理に取り掛かった。
サクサク作れるオムライスと野菜多めのスープ、サラダ。
一般的な成人男性が食べる量はイマイチわからないけど、おかわりも用意しておけば大丈夫な筈。


そういえば、人に手料理を振る舞うのって初めてだなぁとか、家でぼっち飯じゃないの久しぶりだなぁとか、色々考えながら鼻歌交じりに料理をしていたら、不意にどこからか"あの"視線を感じた。
その所為で体が一瞬ビクリと震えて、つい周りを見回してしまう。


「おい、どーした。何急に挙動不審になってるんでィ」

「あ…今、どっかからあの視線を感じたような気がして…さ、流石に気のせいですよね!まさか家の中でそんなの感じるわけないし」

「…ま、気の所為だとは思うが一応調べてみっか」


そう言うと沖田さんは、厨に置かれてる物の間やコンセントなんかを調べてくれた。
もしかしたら盗撮用のカメラか何かがあるかもしれないから、と。


「とりあえず、見た感じカメラやら盗聴器やらは仕掛けられてねーな」

「マジですか!?よ、良かったぁ…」

「念のため出かける時は念入りに戸締まり確認しとけ。マジでヤベー奴ならどっか一箇所でも鍵空いてたら即やられんぞ」

「ういっす、了解しました!」


良かった、家の中にはまだ入られてないみたいで一安心。
さっき感じた視線も多分気のせいだったんだろう。何もないとわかったところで、さて。
料理再開といきますか!

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