【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

影13 ページ42

そんなAを軽く笑いながら眺めてると、Aの視線が俺の顔に向いてんのに気付いた。
しかも頬を真っ赤に染めた状態で。

あー、もしかして…。


「見惚れたかィ?」


そんな言葉をかければ、Aの顔はさらに真っ赤なゆでだこ状態になった。
あー面白ェ。
可愛い。


…っと、Aで遊ぶのはこの辺にしといて本題に入るか。

Aがぶっ倒れた経緯について、多分自覚ねーんだろう本人にザックリ説明してやる。
予想通りAは殺気向けられてたなんて全く気付いちゃいなかった。


ま、パンピーが殺気浴びることなんざそうそうあるモンじゃねーし当然か。
勿論殺気を向けられる理由についても思い当たる節はねーらしく、首を傾げてた。


「アレじゃねーの?おめーが転びかけた時、俺が抱きかかえて助けたからストーカー野郎が嫉妬した…とか」

「あ、確かにそれなら納得できるかも…?沖田さん、ホントよくストーカーの行動原理わかりますね」

「…ま、仕事が仕事だからねィ」


それらしい台詞を口にすれば、Aはそれをあっさり信じた。
まぁあの殺気、Aにっつーより俺に向けられたモンな気がすっけど。
Aはそのとばっちり受けただけで。


「とりあえず、俺が居る時でも野郎(ストーカー)がついて来てるこたァわかった。随分嫉妬深ェ奴みてーだし、絡み増やせば燻(いぶ)り出せるかもねィ」

「絡み?」


鈍い上に純粋なAにゃ"絡み"の意味はわかんなかったらしい。
再び首を傾げて悩み出したAを見て思う。
まさか…。


「まさか本物が出やがるたァ…」

「あれ、何か言いました?」

「いーや、何でも」


俺の呟きは完全には聞こえてなかったらしい。
あー、危ねェ。
無意識に出てくる言葉にゃ困ったモンだ。


「それで、絡みっていうのはいったい…」

「あー、それは…」


"絡み"の意味を説明してやると、Aは本日最高レベルの赤面っぷりを披露した。
明日からが楽しみだ。

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