【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

Epilogue ページ28

覚悟を決め、瞑っていた目を開いて目の前に立っている沖田さんを見据える。
何だか凄くドキドキするけど、きっとこれは普通のこと。
女の子なら…否、人間ならきっと誰でも、胸に秘めた思いをぶつける時には緊張するものだろう。


「沖田さん」

「…おぅ」

「……私も、沖田さんのことが好きです。沖田さんさえ良ければ、私を沖田さんの…わぷッ!?」


いきなり沖田さんの胸板に顔を押し付けられて、思わず変な声が出る。
頭を包みこむように後頭部に回された腕が、伝わってくる体温が心地いい。


「そーいうのは男が言うモンでィ。…A、もしおめーが良けりゃ…俺の彼女になってくだせェ」

「……はい!」


肯定の返事をするのに、迷いは一切無かった。
いやまぁ、少し照れはあったけどそれは仕方ないよね、人生初の彼氏だし。


「んじゃ、今からおめーは俺の彼女ってことで。いいな?」

「はい!」

「んじゃ【自主規制】や【さらに自主規制】、【もっともっと自主規制】なんかもやっちまってOKなんだな?」

「はい!……ん?あれ?」


何か今すっごく不穏な単語が羅列されたような…。


「返事したな?今更やっぱ無しとか言うんじゃねーぜ?」

「あ、あれれ…?何か沖田さん、すっごく悪い顔してるんですけど!?」

「男は皆狼なんだぜィ、覚えとけ」

「話が通じてない!?」

「そんじゃ早速、頂きやーす」

「え、ちょ…待っ…」


この日、私絹笠 Aは遂に…彼氏居ない歴＝年齢、を卒業致しました。
めでたしめでたし。


…あれ、これめでたいのかな。

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