【銀魂】片翼の天使【沖田総悟】

あれこれ違うことやってみても、結局はいつものとこに落ち着く ページ4

成る程、と思う。


Aは羽もあるし、飛ぼうと思えば普通に飛べる。
だけど自由かっていうと答えはNoだ。


白鴉が生み出す上物の武器欲しさに、白鴉を狙う輩は少なくねェ。
その手の輩から身を護るために、Aは人目に付くとこで翼を広げることを自ら禁じてる。
自由に飛ぶことができんのは、こいつのお気に入りのあの山だけだ。


折角大空を自由に飛び回れる羽を持ってんのに、下手に飛ぶことができねェ。
だからAは、飛べねーなりに精一杯楽しそうに生きてるペンギン達を羨ましく思ったんだろう。

俺は人間だからそもそも羽なんて持ってねーし、最初っから飛べねェからわかんねー感覚だけど。


「…デート終わったらあの山行くか」

「どーしたの唐突に。まぁ行きたいけど」

「別に。またてめーに負ぶさって飛びたくなっただけでィ」

「えー、またおんぶして飛ぶの?流石に重いんだけど」

「んなこと言って、案外満更でもねーんだろィ」

「何のことやら」


結局俺らは日暮れ前に動物園から撤退して、あの山で夜まで過ごしてた。

一度行ってみたかったって理由で普通のデートに誘ったけど、やっぱ俺らにはこっちの方が合ってるらしい。
Aが楽しそうにしてんのが、俺にとっちゃ何より大事なことなのだから。

避難の時の「おはし」はだいたい守られない→←隣の芝生は青く見えるし、隣の花は赤く見えるし、他人の持ち物はどうしたって良く見えるもんだ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す