でかいことやり遂げると、案外呆気なく感じる ページ27
「悪ィA、助かった」
「別に。そーちゃんがこいつらに拉致られたのだって狙いは私だったみたいだし。謝んなきゃいけないのは私の方だよ、ゴメンねそーちゃん」
Aに縄を斬ってもらって、俺の体はやっと自由を取り戻した。
太腿の傷は痛むがすぐにAが手当てしてくれたし、そこまで深く刺さっちゃいなかったらしく立ち上がる程度なら何ら問題はねェ。
寧ろ俺よりも、羽斬り落としたAの方がずっと重傷だ。
出血も酷ェし、その所為か顔色も滅茶苦茶悪ィ。
早く治療受けさせねーと。
「おい、早ェとこ病院に…」
「あーあ、呆気ない。もーちょい苦しめてから殺るつもりだったのに、加減失敗しちゃったよ」
俺の言葉を遮り、Aは抑揚のねェ声で呟いた。
その視線の先にあんのは、今し方Aに真っ二つにされた荻野の死体。
「不完全燃焼も良いとこだよ。苛々が全然治まんない」
「A……」
荻野の死体を靴先で蹴るAは、目から光が消えた怖ェくれェの無表情で。
あいつのことを知り尽くした俺でも、今のAん中に渦巻いてる感情全ては読み切れなかった。
「死体斬り刻んだって面白くないし、残りの何人かは別の党に居るっぽいからそいつら斬ってスッキリしようかな」
「A」
「あんな奴らに騙されて殺されるなんて、父さんも母さんも人間を信じすぎなんだよ。最初っから疑ってかかってればこんなことには…」
「A!!」
「んッ…」
辛いときゃ周り気にせず大泣きすんのが一番気持ちが楽になる→←悪党の血の方がきれいな花が咲く…らしい
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影咲 遥(プロフ) - めいさん» 無理せず頑張った結果1日空いてしまいました(寝落ち)仕事でなかなか更新できない時もありますが、必ず完結しますのでこれからも読んでやってくださいませ! (2019年5月24日 0時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
めい - めっちゃハラハラします!!無理せず更新頑張ってください!! (2019年5月21日 20時) (レス) id: 74d4a343bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年4月25日 20時