夜の使者【鬼滅の刃】

肆拾肆 ページ48

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｢紫昏！！！！！！｣



｢てん、ま....｣



｢A！！！！今だ！！！！！｣






たった一瞬、天魔が紫昏に意識が完全に向いた。



狙うならここしかない、これを逃したら怒り狂った天魔相手に頸を取るなど不可能だ。肺いっぱいに吸い、思い切り地面を蹴る。



毒で弱まってしまった今普通の技では半分の力も出せない。ならば持てる最大の力で一か八かの勝負。






｢宵の呼吸、拾ノ型....“月 夜 見”............!!!!!｣






刀を滑らせて喉を裂く



流星火と変わらない動きであるが力は3倍あるだろうか。刀が入った頸は為す術もなく血飛沫を派手に散らして飛ぶ。それはまるで真っ赤な一輪の花のように、綺麗なものに見えた。






｢し、ぐれ....｣



｢ﾊｧ、ﾊｧ....ｺﾞﾎｯ....｣






最後の技でAは膝をつく。



月 夜 見は強力な分反動が大きい、その上この酷使した体だ、ダメージが大きすぎた。だがあの技を使って正解だった、あの強力な技でさえ本来の力の半分も出せていなかったのだから。



思った以上に追い込まれていたらしい。






｢せめ、て....｣



｢おい、A、何をしている！｣






Aはボロボロになりながら天魔の頭を持ち上げる。流石に胴体の方は重すぎて今の彼女では持てない。



錆兎と義勇はAを必死に止めようとしていたが彼女は辞める気配はない。その行為に天魔自身も困惑していた。






｢せめて....最後、まで....2人一緒に....｣



｢!!!｣






天魔の頭を紫昏の横に置く。



最後は2人離れてなんて悲しい、彼らは2人で1人なのだ。もしあの世があるとするのなら例え地獄だとしても2人一緒なら寂しくないだろうから。






+・+・+・+





《大正コソコソ噂話》



月 夜 見はA自身が生み出した技です。この技を生み出した時に詠が名付けました。

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