夜の使者【鬼滅の刃】

参拾漆 ページ41

義勇･錆兎視点






｢くっ、！！｣



｢氷柱はまだまだ沢山あるからね！｣






錆兎と義勇は苦戦していた。



あちこちから飛んでくる血鬼術の氷柱を回避しながら紫昏本人の攻撃も回避しなければならない。これで彼は防御力特化の鬼と言うのだから恐ろしい。



実際、彼の血鬼術 鉢特摩(ﾊﾄﾞﾏ)はこのように氷柱にして戦わうのではなく壁にしたり徐々に気温を落として動きを鈍らせ最悪凍死させることが多い。




今回は相手が2人で手練だから、この手段にでているだけだ。これ程の手練に、凍死させるのを待っていたら先に日が登ってしまう。






｢ほら、横ががら空きだよ｣



｢ｯ?!がはっ....!!｣



｢義勇！！！！｣






左側から蹴りを入れられた義勇は吹っ飛んだ。刀で咄嗟に受け身を取った為見た目より酷い怪我はしていないだろう。....肋が折れたかもしれないが。






｢ほらほら、1:2だよ？そっちの方が有利なんだから頑張らなきゃ｣



｢ハッ、お前が鬼の時点でこっちは大きなハンデを負ってるんだよ



水の呼吸 弐ノ型 “水車”!｣







襲い掛かる氷柱を技を使ってなんとか凌いでいるがこのままでは先にこちらの体力がなくなるだろう。



普段義勇と錆兎が戦う時に使う2人の合わせ技は強力だが今現在それをできないでいる。紫昏は2人が協力出来ないように氷柱でうまい具合に引き離しているのだ。




紫昏が2人の合わせ技のことを知るはずもないが1:2の時人数的不利を減らすのは当たり前である。






｢僕、防御力特化の鬼だよ？僕なんかの攻撃をどうにかできないようじゃ天魔の相手にもならないよ！



僕らは2人で矛と盾なんだ｣






恐ろしいところがこの2人が揃って初めて本領発揮するところだ。つまりまだ本気でないということ、2人がバラバラのうちに頚を落とさなければ勝ち目がないということである。






+・+・+・+


《大正コソコソ噂話》


あの日の最終選別以来錆兎と義勇は常に一緒です。合わせ技が強力なのは常に共にしてきた兄弟弟子だからでしょう。コンビを組んでいるのは鬼殺隊の中できっとこの2人だけです。

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